精神的に疲れ切っているときに、人は心の底から笑うことはできないんです。間違いなく。


福祉の仕事は、どんな立場にいようとも人間様相手の仕事であること、これも間違いない。


つまりは、自分が弱っていると介護の仕事はやりおおせないということ。


あのまま我慢していたとしても、お年寄りも自分も…きっと幸せにはなれなかったと思う。


中途半端に辞めていくことは、ある意味『逃亡』であり、ある意味『選択』であり、ある意味『最善』


だったんだろう。別れるのがつらいお年寄りもいたし、このまま自分が離れていった後のことを考


えると、おこがましいのかもしれないが、心が痛まないわけはなかった。


所詮一人の人間ができることなんてたかが知れてるでしょう。所詮ね。


だからこそ同じ志を持つ仲間を一人でも多く増やし、一人でも多く福祉の本質を、本当のあるべき


福祉の姿を理解している、ごく普通の人を増やしていく必要があったんです。


特別な『スペシャリスト』ではなく、普通の人。そんな人が当たり前のように身近にいる世の中。


難しいことなんだろうか…自信と不安が入り混じったまま、舵を切ることを決心したのです。


(続く)