新時代のキリスト教新時代のキリスト教


  「青森キリストの墓」について以前ブログ(ここをクリック)で書いたように、クリスチャンもいなければ隠れキリシタンもいない、キリストにまつわる言い伝えなどまったくない青森県戸来村に竹内巨麿が現れ突然土饅頭を指差し、ここがキリストの墓だと言った。

これにはお膳立てした人物がいた、戸来村出身の日本画家「鳥谷幡山」は観光資源の乏しい故郷に何か名所を作りたく友人の「酒井勝軍」に相談し、ピラミッドとキリストの墓をでっちあげた。

鳥谷幡山は村おこしの観光資源のため。竹内巨麿と酒井勝軍は新興宗教と日本民族優越論(竹内文書)のため、キリストの墓は捏造された。

5月12日の朝日新聞に、このキリストの墓のことが書かれていたので全文コピーしました。


「まつろわぬ者」蝦夷への祈り
       
       高橋大輔(探検家)
       1966年、秋田市生まれ。ロビンソン・クルーソーの
       実在モデルの住居跡を2005年に発見した。

 「青森県にイエス・キリストの墓がある」。そう言い出したのは、宗教家の竹内巨麿(1875?~
1965)だった。十和田湖の東にある同県新郷村を訪れた彼は1935(昭和10)年ごろ、小高い丘の上にあった土饅頭をキリストの墓だとした。多くの人が偽史だと反発し、数年前にも英国のBBCがバッサリと切り捨てた。

青森県教委の調査資料を見ると、現場は「野月館」と呼ばれる城館だった。
『新郷村史』によれば、土師器や須恵器といった土器も見つかっているらしい。わたしはピンときた。偽史論争や操られたマスコミ報道により、大切なことが忘れられてしまったのではないかーー。

現場に立つと、急勾配の丘が五戸川に臨む。敵を見張り、攻撃も防衛もたやすい。明らかに山城の跡だ。土饅頭は崖の先端にあり、大きさは歩幅で7歩四方あった。郷土史に詳しい細川潤八郎氏によれば、昔から土饅頭を粗末にしてはいけないとの言い伝えがあったという。

何だろう。他の遺跡から類推できないか。八戸市博物館を訪ねると、工藤竹久館長が市内の丹後平古墳群のことを教えてくれた。尾根にあり5m四方と小さいが、奈良時代の地方豪族の墓だという。「キリストの墓」とは規模も立地も似ている。

また、野月館のような遺跡は、北東北全域でみられるらしい。多くが平安時代に造られた防御性集落跡で、群雄割拠していた蝦夷の城館だという。出土した土師器などから、野月館も蝦夷の城館だったと考えられる。当時、反抗的な蝦夷は中央王権から「まつろわぬ(服従しない)者」とされた。しかし、地元では独立を守ろうと命がけで戦った英雄だった。

わたしは蝦夷がキリストと似ていることに気がついた。彼もまた、ユダヤ教徒から異端視されたまつろわぬ者だった。新郷村の人々は今なおキリスト祭りを行っている。祝詞を上げ、盆踊りをする彼らにとって、キリストは日本の八百万の神の一人のような存在なのかもしれない。きっとまつろわぬ者、蝦夷への祈りへと通じているのだろう。

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ユダヤを脱したキリストは青森県に上陸し、106歳まで生きた?
キリストの墓をめぐる物語は荒唐無稽だ。「偽書『東日流外三郡誌』事件」(斉籐三政著)によると、村おこしや信仰宗教などが生んだ作り話という。何度も批判され、新郷村史は「今はその批判すら聞くこともなくなった」と話す。ただ、この地にはかつて、城館や墓があったらしい。勝手に「キリストにされた者」は草葉の陰で何を思っているのだろう。(河井健)
************新聞記事ここまで**************


私が「キリストの墓」を訪れた1980年代(ここをクリック)はまだ観光化されておらず、キリストの子孫と言われている沢口さんの家を訪ね、事情を説明し見学させてくださいと言うと、ご主人が丁寧に案内してくれた。細い道路を挟み家と反対の丘に古墳のような盛り土があり、十字架やダビデの星と似たものがあったので、「これはいつ頃からあったのですか」と訪ねると、「昔は土饅頭が2か所あっただけで、偉い人が葬られているから大事にしなさいと先祖からの言い伝えがありました。十字架とかその他は茨城県の竹内さんという先生が、ここを訪れキリストの墓と言い加えられました。」とのことだった。

同行したドイツ人女性も私もキリストの墓ではなく、古代に活躍した豪族の墓と推測した。今回の朝日新聞の記事によると、『青森県教委の調査資料』及び『新郷村史』や『八戸市博物館』によれば、北東北全域でみられる蝦夷の城館で「野月館」と呼ばれ、土師器や須恵器といった土器も見つかっている。昔から土饅頭を粗末にしてはいけないとの言い伝えがあり、蝦夷の英雄の墓らしい。

捏造やトンデモ説で歴史の真実が闇に葬られてしまうのは残念なことです。古代の東北には縄文時代から続くまつろわぬ人々がいて、その英雄の墓をキリストの墓に捏造した竹内巨麿、鳥谷幡山、酒井勝軍の計画した新興宗教の目的は何だったのだろうか。学術的根拠のない、都市伝説や陰謀論を盲目的に信じるのはおろかなことである。