アンドレ・マルロー氏の空想の美術館 | Espressoのブログ

アンドレ・マルロー氏の空想の美術館

私が、フランスで最も尊敬しているのはアンドレ・マルロー氏(André Malraux)です。マルロー氏が書いた『芸術の心理(邦題:東西美術論)』という「空想の美術館・芸術的創造・絶対の貨幣」の3巻セットの著書があり、日本では1957年に出版された書籍です。マルロー氏は、芸術の心理の1巻 “空想の美術館” で美術品(主に絵画)の複製メディアとして写真をとりあげ、写真による複製の重要性を述べています。

アンドレ・マルロー氏マルロー氏が述べているのは、写真や印刷などの複製技術の発達を背景として、写真複製を数多く収集することによって現実には不可能な名画のコレクションや展示を可能にするばかりか、多くの作品を容易に比較対象することが可能となり、この結果新しい画期的発見が生まれ、美術史の記述が大きく変わる可能性をもたらすと記述しています。現在マルロー氏が提唱したこれらの記述は、デジタル技術や印刷技術の進歩によって可能なものとなっています。

私が、マルロー氏の提唱した “空想の美術館”実現のための主題としてとりくんでいる画家はレオナルド・ダ・ヴィンチで、レオナルドが考案したアイディアの模型に加え、レオナルドの手書きノート(手稿)のデジタル化と絵画の代表作の高精細デジタル複製画、レオナルドの手稿(ファクシミリ版)をセットにしたものです。初めは、日本の美術館も実物がない企画ものは敬遠されたのですが、画家の素顔や実像にせまることが可能なものとして日本でも受け入れられつつあります。

下記は、これまでお手伝いさせて頂いた国内におけるレオナルドの企画展です。

三重県・四日市市立博物館 2011年7月2日~9月4日迄
石川県・金沢21世紀美術館 2011年4月24日~5月16日迄
北海道滝川市美術自然史館 2010年11月27日~2011年1月23日迄
北海道立釧路芸術館 2010年9月14日~11月23日迄
広島県・近畿大学工学部 2010年9月3日~10月30日迄
福島県・いわき市立美術館 2010年7月17日~8月29日迄
栃木市とちぎ蔵の街美術館 2010年6月19日~7月25日迄
石川県・北陸先端科学技術大学院大学 2010年6月5日
福井県立美術館 2009年7月31日~8月23日迄
静岡科学館 る・く・る 2009年1月10日~2月15日迄
栃木市とちぎ蔵の街美術館 2008年7月29日~9月28日迄
長野県立信濃美術館 2007年9月15日~10月21日迄
新潟・長岡技術科学大学 付属図書館 2006年9月30日~10月1日迄
明治大学博物館 2006年8月23日~9月24日迄
富山県立大学 2006年8月5日
銀座ソニー・ビル 2006年7月21日~8月31日迄
お台場メディアージュ内ソニー・エクスプローラサイエンス 2006年5月20日~6月11日迄
銀座ソニー・ビル 2006年4月24日~5月14日迄

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TV関係で番組制作に協力したのは、世界ふしぎ発見(TBS) / たけしの誰でもピカソ(テレ東) / 世界一受けたい授業(日テレ) / 華麗なる巨匠たち(BS朝日) / 画家は万能であれ(NHK-BS.HI) / ダ・ヴィンチのロボット(WOWOW)など。


マルロー氏が提唱した『空想の美術館』を実証しているのは、イル・ド・フランスにあるオーヴェル・シュル・オワーズのレリー城の「印象派への旅」と映像アーティストのジャンフランコ・イアヌッツィさんです。日本にもデジタル技術を駆使した様々な画家のほぼ全ての作品が観ることができるミュージアムをと、一通りレオナルドの巡回展での実例ができましたので次のステップに入ろうと計画をしているエスプレッソです。

「印象派への旅」「印象派への旅」

「印象派への旅」「印象派への旅」

知人のジャン・サン・ブリス氏がプロデュースをしたレリー城の「印象派への旅」


ジャンフランコ・イアヌッツィ氏ジャンフランコ・イアヌッツィ作 「ピカソ」ジャンフランコ・イアヌッツィ作 「ピカソ」

ジャンフランコ・イアヌッツィ作 「ピカソ」