語られない核兵器事故の危険 | ☆ワシのひとりごと☆

語られない核兵器事故の危険

9年前(2015年)の記事をもう一度

 

10年前、こんな記事を見て、恐ろしく思いました

「薬物所持で将校2人捜査=核ミサイル部隊また不祥事―米軍(時事通信社より、2014年1月)」

米主要メディアが一斉に伝えたこの記事は、米空軍当局が、核弾頭搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を運用する部隊の将校2人を違法薬物所持の疑いで捜査していることを公表したものでした

米軍の核兵器運用部門では不祥事が相次いでおり、出張先のロシアで酒に酔って粗暴な態度を取ったとして、2013年にICBM部隊を統括する将官が更迭されるなどしているそうです

そして、2014年の年末にも、こんな記事が

(要約せずに、そのまま載せます)

「ある一家の庭に落ちた1発の核爆弾 ─ 今も残る核兵器事故の危険(AFPBB Newsより、2014年12月)」

【AFP=時事】1958年、米サウスカロライナ(South Carolina)州にあるグレッグ家の庭に核爆弾が落ちたときのこと──地面には大きな穴が開き、数羽の鶏が死に、一家は軽傷を負って自家用車のシボレーは大破した

B47爆撃機に搭乗していた空軍大尉がうっかりレバーをつかんだことで、爆弾倉が開いてしまった(大尉もあわや落下するところだった)ことが原因だったが、爆弾に核分裂性核種が搭載されていなかったのは、不幸中の幸いだった

しかし当時、他の米軍機は完全な機能を備えた核兵器を運んで頻繁に飛行しており、先週オーストリアの首都ウィーン(Vienna)で開催された核兵器に関する国際会議で指摘されたように、こうした事故は決して単発的なものではなかった

「核爆発を起こさずに冷戦(Cold War)を終えたことは幸運だった」と、58年やその他の核兵器にまつわる事故について書かれた『コマンド・アンド・コントロール(Command and Control)』の著者エリック・シュローサー(Eric Schlosser)氏は同会議で述べた

「問題は、運はいつか尽きてしまうということだ」と語った同氏は、情報自由法(Freedom of Information Act)に基づく膨大な資料の請求や政府高官らのインタビューなど、新著のための調査に6年を費やした

1961年に起きた事故では、B52爆撃機が空中分解し、旋回しながら落下した

その遠心力によって、完全に運用可能な水素爆弾がノースカロライナ(North Caroline)上空に放り出された

「広島の数百倍もの威力を持つ水爆の爆発を防ぐことができたのは、水爆が備えていた、たった1つのスイッチだった」とシュローサー氏は言う

1968年には、水素爆弾4発を積んだB52爆撃機がグリーンランド(Greenland)のチューレ(Thule)空軍基地近くに墜落した

核物質を囲む爆薬は爆発したが、核爆発は避けられた

だが、一帯は放射性プルトニウムに汚染され、「爆弾1発の一部はまだ発見されていない」

1980年には、当時の国家安全保障担当大統領補佐官、ズビグニュー・ブレジンスキー(Zbigniew Brzezinski)氏が、夜中の2時半に起こされ、ロシアが核ミサイル220発を米国に向け発射したと知らされた

ミサイルの数はさらに、次の報告で2200発に訂正された

米軍機がエンジンをかけ、ブレジンスキー氏がジミー・カーター(Jimmy Carter)大統領に電話をかけようとしていたときに、ようやく誤報だったと判明した

「原因は、価格が50セントにも満たないマイクロチップ1個の誤作動だった」

■危険は過去のもの?

25年前にソ連が崩壊して以来、世界の核兵器は削減され、技術的な進歩による安全面の向上もあり、事故が起きる確率は減少している

米国は、保有するミサイルは海上に配備されており、米軍機が日常的に核兵器を運送することはもはやないとしている

それでも、いまだ世界9か国が1万6300発の核兵器を保有している

うち1800発はすぐにでも発射できる状態にあり、専門家たちは大きな懸念材料はまだあると指摘している

核弾頭そのものは最新化されているかもしれないが、それらが搭載されるミサイルや空軍機、潜水艦は古くなっており、事故はまだ起こり得るのだ

たとえば、2009年には英国とフランスの原子力潜水艦同士が衝突する事故が起きたとされる

また先週、英大衆紙デイリー・エクスプレス(Daily Express)は、過去4年間に英海軍の潜水艦で火災が44件起きていると報じた

だが最も心配なのは、核兵器を配備するのに必要な時間が短縮されたために「一触即発の」危険があることだと、米国の核ミサイルの元監督官で現在はプリンストン大学(Princeton University)で教えるブルース・ブレア(Bruce Blair)氏は言う

「ロシアはプロセスの自動化によって発射までの時間を短縮した。モスクワ(Moscow)から、遠くはシベリア(Siberia)まで離れた発射装置からミサイルを直接発射するのに、ロシア軍の指揮官が必要な時間は数秒ほどだ」

■サイバー攻撃の危険性

ハーバード大学(Harvard University)法科大学院バークマン・インターネット社会研究センター(Berkman Center for Internet and Society)のカミール・M・フランソワ(Camille M. Francois)氏によれば、高度な自動化により、冷戦時代にはほぼ考えられなかったリスクが生じている

それは、サイバー攻撃のリスクだ

「核兵器はサイバー攻撃に対し、極めて脆弱だ」とフランソワ氏はAFPの取材に語った

さらに、政策立案者らは1983年の映画「ウォー・ゲーム(WarGames)」のような一匹狼のハッカーによる攻撃のみ想定した「1980年代の考え方」に固執し、サイバー攻撃はインターネットを通じてのみ行われると信じ込んでいると、同氏は警鐘を鳴らしている

「もはや若者ではなく、国家がサイバー戦争に非常に多くを投資している。これは新たな戦場、第5の戦争領域だ」

元米国務省高官で現在は英シンクタンク「国際戦略研究所(International Institute for Strategic Studies、IISS)」に在籍するマーク・フィッツパトリック(Mark Fitzpatrick)氏はAFPの取材に対し、核爆発事故がこれまで一度も起きていないという事実は、「核兵器を扱う人々が、自分たちの任務に真剣に取り組んでいることを示している」と語った

「だが一方で、そのような事故がこれまで起きなかったのは、非常に幸運なことだ。この問題の緊急性は誇張されることもあるが、私はそのリスクや誤りが生む破滅的な結果を軽視したくない」

「核兵器は、これまで開発された兵器の中で最も危険なものだ」と、シュローサー氏はAFPに語った。

「わたしたちは、この技術を開発した瞬間から今まで、これを制御できたことは一度もない」

【翻訳編集】AFPBB News

 

この記事と読んでどう思うだろうか?

これはアメリカのごく一部の出来事だと思います

核保有国ではこれと同じような事がもっとたくさんあるのではないでしょうか?

そして、今、問題になっているサイバーテロ

ネット上の戦争だけととらえない方がいいかと思います

我々の知らない場所で知らないうちに、悲劇が起こる可能性が、あちこちにあると言うことではないでしょうか?

そして、今、起っているウクライナ戦争でも、ついうっかり、プーチンが核を使ってしまったら…

芸能情報で一喜一憂している平和ボケの日本人よ、今ある平和は危ういいことをよく理解してもらいたい