(科学1505)バナナの皮は踏むと滑るのか?
コメディドラマや映画、そして、アニメなどを見ていると、バナナの皮を踏んでひっくり返るシーンがよくあります
最近、メルセデス・ベンツの実写化されたマリオが出てくるCMでも、バナナの皮を踏んでひっくり返ってますよね
一般的に、「靴と路面の間の摩擦係数が0.1以下だと滑る」とされているようです
しかし、内側を下にしたバナナの皮におもりを乗せて摩擦係数を測定すると、皮と路面の間の摩擦係数は0.4前後だったということが過去に報告されているようです
つまり、乗っただけでは、バナナでは滑らない??
でも、滑った経験を持つ人はいないだろうか?
自分はまだ無いのですが…
この「バナナの皮で滑る」と言う現象は、科学的に立証されたことが無かったようなのです
そこで、北里大学医療衛生学部の教授が、人工関節の摩擦測定に用いるセンサーを使って、センサーに床材とバナナの皮を順にのせ、踏んだ瞬間の摩擦係数を測定したそうです
すると、摩擦係数は、0.07と測定でき、みごとに0.1を下回り、滑ることが証明できたと言うのです
「踏む」というのは、荷重をかけて前に進むので、通常のセンサーでは測定できなかったのかな?
さて、では、何故バナナの皮を「踏む」と摩擦係数が小さくなるのか?
それは、バナナ皮の内側にある無数の多糖類でできた粘液を含んだ白い粒状の小胞に理由があるようです
これが、踏まれたときに、つぶれて粘液がしみ出して、その粘液が膜を作って潤滑油となり、摩擦係数を小さくさせていたようです
やっぱり、「バナナの皮を踏むと滑る」のですね
実は、この「バナナの皮で滑る」と言う検証は、人工関節における体液の重要性を裏付けるために行われたもののようです
人工関節には、体液の潤滑効果を期待して設計されたものと、そうでないものがあるようなのです
バナナの皮も粘液が出るから滑ると言う結果から、人工関節も体液が入り込むことで有効になるということのようです
一見、全然違うもののようですが、誰もが知っていることをたとえて立証することが非常に重要なのでしょうね
さらに、この業績によって、教授は、人々をいかに笑わせ、いかに考えさせられたかを基準とする「クグノーベル賞」を受賞されたとか
(科学情報誌ニュートン2015年2月号より)
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