パイオニア | 椿五十朗

椿五十朗

雇われプロデュサーの覚書

 

 その道を切り開いた人ってのは数々いる。

 

どんなジャンルであれ人類史上で最初にその壁にぶち当たるわけだから

 

その人がどういう風に克服したのかを知っておけば自分の役に立つことは多い。

 

それ以前に同じ壁なのだから、同じ人間、同様の登り方を作り出せばよい。

 

黒澤明は、それまでタブーとされていた太陽を映すことを試みた。「羅生門」と

 

いう映画での話である。「太陽を撮影したい」という発想が持てるかどうか、常識を

 

逸脱できる応用力を持てるか、

 

そして、それに固執して我慢しながら考え抜けるか、が問題であるな。

 

 

若いころから、この考え方を持っていた、

 

「最初にこの問題を解決した人も同じ人間だ」と。

 

変人なんだろうか??

 

なんでも、このフィルターを通して考えて解決策を自分なりに作り、先へ進んだ。

 

誰かに教われば簡単なのだが、そういう人間もいなかったので、

 

中学生頃からは、これで何とか生きて来たわけだ。

 

 

人類史上最初に会社を立ち上げた人

 

教科書を最初に作成した人

 

この料理を最初に考え付いた方

 

この音楽のジャンルを作り出した人

 

様々な分野のパイオニアになりきれば、同じ道を探すしか抜け出す手はない。

 

 

危険な考え方で、逃げ道を作る言い訳にもできる。

 

この考え方は逃げないという前提で行わなければ意味はないな。

 

自分流の公式を作り常に改良していけばよいわけだ。

 

 

ただ周り道も多く、必要な回り道と必要じゃない回り道があり、

 

後者も多く経験した。これが省かれていれば、もっと先へ来ていたのかもしれない。

 

Aiに手伝ってもらうにしても、結局は誰かの入れ知恵であり、

 

人間の応用力や発想力が、元になっていることに変わりはない。

 

「キントーン」などで仕事の業務を簡略化したり、人材の配置を適材適所にするにしても

 

最終的には使う側の思考の問題だろう。頼らなくてもできる部分は多くあり、

 

それができない人間が使うだけである。

 

「脳」というものを再現できることは無理だろう。

 

 

バンドのボーカルの教え子には必要な回り道や解決策を、時事や経験を例に教えている。

 

技術だけでなく考え方を教えるのが大事であり、

 

自分自身で問題を解決する応用力と実行力が備われば人生は、

 

ほんの少しだが楽になる。

 

ただ、よく無理をしていた。

 

究極に言えば、「道がある限り、続いている限り、歩いていれば着く」

 

なーんて考えを持つと、

 

8時間も普段着で雪山を歩くなど、「遭難」なんてことも経験してしまう。

 

これで何度も死にかけたわけである。その無理が、今は体中に出てきている。

 

 

何かを目指すのであれ、程よい幸せを追う人生であれ、大なり小なり、

 

問題は自分の前に立ちはだかる、

 

その時に、

 

こういった考え方を持つことがあって良いかなと思う。