データベース制圧の精神科医ブログ、長崎広島原爆・福島原発・第二次大戦・児童虐待・DV・レイプ複雑性PTSDの薬物療法 -4822ページ目

(32)PTSDと犯罪

犯罪とはわずかな労力で不当な利益を得ようという行為である。職業的犯罪も強欲から生じる犯罪も逮捕されては意味がないから知恵をしぼる。残虐な犯罪行為を犯しながら、自己防衛のための最小の努力もしないのが精神障害犯罪である。かって精神障害と犯罪と言えば統合失調症という病名が必ずちらついたが、現在は人格障害、アスペルガー、多重人格に移行している。自分はPTSDとの鑑別なき発達障害(アスペルガー)などという概念は全否定する。どこかにはいるのだろう。一億人に一人くらい犯罪と無縁の場所に。人格障害とは対人関係不適応に障害が集中したPTSDであり、多重人格とはヒステリー同様PTSDと果てしなく重なりあう。

(31)セレブ妻バラバラ殺人の歌織容疑者(PTSD)と光市母子殺人犯人の告白のタイミング

検察側は歌織容疑者が鑑定医のJSTSS初代会長金吉晴に「いきなり」幻覚妄想などの病的体験を話したのはおかしいと。光市事件でも差し戻し審で今まで言わなかったドラえもんの話など一見荒唐無稽な話を「いきなり」したのはおかしいと。PTSD治療において聞く気のある人間にだけは「いきなり」秘密を話すのはよくある現象でこれが「ラポール」であり催眠の本質です。精神科医としてではなく私人としては光市の事件は心情的には死刑やむなしと思うが、光市の事件の弁護団が「死刑を免れるためにでたらめを言ったのではなく、素直に話してくれたと信じる。」という直観は正しいのであって、精神医学的言葉をもたない弁護団の悔しさが理解できる人間はほとんどいないでしょう(あの弁護団は傲慢だから不快だが)。


(30)退化する米軍のPTSD治療 イラク戦争とPTSD SSRI・SDAが使いこなせない

PTSDが精神医学において正式に認知されたのはベトナム戦争の復員兵が罹患したことによります。現在イラクからの復員兵が罹患して、速やかにホームレスになっていることはよく知られています。各地の復員兵病院で暴露療法のために大金を投じてテレビゲームまがいのバーチャルマシンが設置されています。新聞報道でイラク戦争での民間人殺害の残虐行為への罪悪感に苦しむ元アメリカ兵患者に祖国アメリカのために戦ったのだから殺人はしょうがないという暗示をかけている場面がありました。これは暗示の原則に反した無効な治療です。暗示は当人が真に望むことを補強することしかできません。この場合に与えるべき暗示は君の苦しみは理解できる。答えを出すまで見守っているよである。もっとも暗示だけではなくSSRI、SDAが使いこなせなければ多数の患者を効率的には治療できません。

(29)PTSDの薬物療法(SSRI)と精神療法(暴露療法)の方向性の矛盾

日本PTSD学会(JSTSS)はもっとも有力視されたSSRIによる薬物療法を放棄したが、暴露療法なる精神療法は繰り返し侵入する外傷記憶への慣れを目標とする。しかしSSRIの有効性の判断基準は外傷記憶の侵入を阻害することとされてきた。SSRIの薬理作用は本当に記憶を抑制するのだろうか。

(28)魔女(ヒステリー)・PTSDが 流行する中世末期と現代の類似性

精神障害(魔女:ヒステリー)が多発して王や教会といった支配層が恐怖した中世末期はやがて近世の大航海時代を迎えました。ユーロッパ人は世界中の先住文明を滅ぼしましたが、人類を1つの文明圏に統合しました。世界に進出したヨーロッパ人自身も航海による壊血病やマラリアなどの風土病で屍の山を築くという犠牲を払いながら憑かれたように世界進出をやめませんでした。精神障害の大量発生は犠牲の予感に呼応したものだったのでしょう。冷戦を知るわたしの年代にとっては、その崩壊は平和と安定をもたらすと期待していました。しかし、グローバリゼーションの波は 地球全体を巻き込んだ経済競争の加熱と温暖化を引き起こしました。社会のあるべき未来を提示できない政府と厚労省の的外れな精神医療政策は蔓延する現代のヒステリー(PTSD=解離性障害≠うつ病)を治癒するより悪化させむしろ犠牲者を増やしているという意味では現代の魔女狩りと言えるでしょう。

(27)厚労省とSSRIとPTSD=解離性障害=ヒステリー≠うつ病

「抗うつ薬」SSRIはPTSD治療の要となる薬物です。しかしこのじゃじゃ馬を乗りこなすには高度の技量を必要とするため日本PTSD学会(JSTSS)はこれを放棄しました。しかし 相変わらず多数のうつ病(と誤診されたPTSD患者)に機械的に投与され悲劇を起こしています。一昨年海外の貴重な経験を元にSSRIが自殺の危険を 高めると厚労省は警告しました。新聞でも報道されました。しかし厚労省はSSRI特有の問題とは関係ない旧型の三環系抗うつ薬もまぜこじゃにして大量の警告文書を送付してきたのです。またその危険に「アクチベーションシンドローム」という レッテルを貼っただけでその詳細について研究するよう何ら指導していません。わたしはSSRIが自殺衝動を高める(そしておそらく他殺衝動も)のはうつ病と誤診されたPTSD患者の抑圧された外傷記憶を不用意に刺激するからという結論を論文で出しています。

(26)180度反対のうつ病とPTSD患者への周囲からの接し方

今は消滅してしまったなつかしいうつ病患者さんへの接し方は今では常識になった励まさない(そっとしておく)ことです。低下したエネルギーは自然に 回復してきます。エネルギーはそこにあるのに解離(ばらばらになり)してしまって有効に使えないPTSD患者には手持ちの乏しいエネルギーを限定した目標に集中活用させることです。ある患者さんの名言(わたしが夢中で言ってわたし自身は忘れていました)「這ってでも通院しろと先生は言われました」。身体症状に集中して出たPTSD患者さんで効果のない検査 、入院、服薬を繰り返していました。半年で見違えるほど元気になりました。患者さんが全く無力な存在ではないと信じてあげることです。

(25)内科医が認知症(と誤診される高齢者PTSD)を診療する愚かさ

てんかんは脳波による診断と抗てんかん薬治療の確立で精神 科から内科の守備範囲に移行しました。認知症に治療薬(アリセプト)が出現して近年急速に内科が自らの守備範囲であると主張しています。彼らが診断の手段と称しているのは脳画像検査(CT・MRI)です。アルツハイマー病の確定診断は死亡後の脳病理検査しか方法がありません。画像診断は癌と大出血の除外診断にしか使えません。なのに内科医はセンチ・ミリ単位の萎縮という大雑把な基準で診断が可能と主張しています。高齢者の脳が若年者に比較して萎縮しているのは当たり前 です。認知症とは何の関係もありません。私は高齢者の第二次大戦(原爆被爆を含む)トラウマによる超遅発性PTSDについて4症例を論文報告しています。高齢者の精神障害診断も決め手は問診オンリーです。精神医学は高齢者精神障害をあっさり内科に明け渡しています。 PTSD研究の宝庫を。

(24)うつ病はPTSD を否定する概念です

うつ病は統合失調症と共にグリージンガーからクレペリンに至る19世紀のドイツ精神医学が産み出したものです。心理学を排除することが科学としての精神医学の王道と彼らは考えました。彼らは野口英世が発見した進行性麻痺(脳梅毒:脳への梅毒病原体の侵入で起きる精神障害)のメカニズムを唯一の精神障害の発生モデルとしました。ドイツ精神医学は第二次大戦でPTSD患者を含む七万人の精神障害者の殺害に関与(脳標本の収集のため)して崩壊しました。 「うつ病」の創造者たちはやがて「PTSD」に成長する概念を否定しました。「PTSDとうつ病にかかっています」というのは医学史的にはナンセンスな発言です。また彼等はSSRIにいたる薬物治療にも否定的だったのです。「うつ病治療に薬を飲む」のも本来異質な組み合わせです。

(23)魔女狩りとPTSD=ヒステリー=解離性障害≠うつ病

ヨーロッパ中世末期に吹き荒れた魔女狩りの対象が当時増加する一方だった精神障害者だったことはよく知られています。医学が精神障害について沈黙した当時、ある意味最高の精神臨床家だった宗教勢力の魔女の鑑別点は体に痛覚を失った部分があることでした。リストカッターと呼ばれる一群の気の毒な女性たちの訴え でもっとも無視される点。切った時に痛みを感じない。「ヒステリー性感覚脱失」感覚が「解離」しているのです。ほとんどは「うつ病」「境界性人格障害」というありがたくない病名で誤診されます。