日本最良の兵士のPTSD「元帝国陸軍兵士が複雑性PTSDを呈した一例」(広島医学2007) | 精神科医ブログ、長崎広島原爆・福島原発・コロナ・第二次大戦・北朝鮮ロシア核・児童虐待・DV・レイプ複雑性PTSDの薬物療法

日本最良の兵士のPTSD「元帝国陸軍兵士が複雑性PTSDを呈した一例」(広島医学2007)

この第7論文の前の「東京大空襲被災と広島原子爆弾被爆の両方を経験し複雑性PTSDを呈した一例」(広島医学2006)では書きたいだけ書いて「17ページ」だったが、私の(原爆)PTSD研究に恐れをなした広島県医師会はこの論文で枚数制限をかけてきて「10ページ」にしてきた。おかげで「軍の根幹とは優れた下士官である」の一行が入れられなかった。

しかし、この患者が日本帝国陸軍が生み出した最良の下士官であったと断言はした。
人の世の中から「軍隊」と「戦争」が無くなることはないであろうが、「兵士」として戦うなら彼のような「下士官」に直接命令されたいものであるし、「将校」としては彼のような部下を持つべきである。

それは「敵を殺すための戦争」ではなく「生きて帰るための戦争」に必要な人材であるからだ。

そして彼はPTSDを病んだ。PTSDに「SSRI」「SDA」「セディール」がどう「効く」のかも彼は日本人に人類に好例を残してくれたのである。
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