(2657)なぜ境界性人格障害(ボーダー)病名は使われなくなったか | データベース制圧の精神科医ブログ、長崎広島原爆・福島原発・第二次大戦・児童虐待・DV・レイプ複雑性PTSDの薬物療法

(2657)なぜ境界性人格障害(ボーダー)病名は使われなくなったか

最初「奇妙な患者(PTSD=解離性障害)」が増加し始めた時に「境界性人格障害(ボーダー)」診断が大流行した。私も最初そうだった。マスターソンがトラウマを知らずにつけた病名。PTSDに吸収された病名がなぜ流行ったか。簡単な話、日本の精神医学が輸入医学だからだ。古いボーダーの参考文献の方が先に翻訳された。
中井久夫先生がパトナム「多重人格障害」ハーマン「心的外傷と回復」を翻訳してくれて、ようやく「ボーダー」が時代遅れとわかった。

また日本の精神科医は「ボーダー」を「遺伝で治療方がない」と解釈した。これは精神科医に都合が良かったが2つの問題もあった。
(1)精神科医が「治療方がない」と主張しても世間は「医者なら治せ!」と社会の圧力がくる。
(2) 治療方がないなら精神科医自体に存在理由がなくなる。
「ボーダー」と急にあまり言わなくなった。