(1235)「ヒトラーと精神分析学」(2) | データベース制圧の精神科医ブログ、長崎広島原爆・福島原発・第二次大戦・児童虐待・DV・レイプ複雑性PTSDの薬物療法

(1235)「ヒトラーと精神分析学」(2)

アドラー(1870~1937)はフロイトの単なる亜流ではなく独自の心理学をうち立てた 分析医です。彼の理論の中核である「劣等感」(インフェリオリティ・コンプレックス)という概念も日常語になっています。人は社会に適応する努力の過程で、先天的に弱い部分を克服しようとしてしばしばやり過ぎてしまうか、それに失敗すると神経症になると彼は考えました。
精神分析を最初に否定したのはナチス・ドイツです。ユダヤ人による似非科学として、1933年にはフロイトの著作を焚書にしました。ホロコーストが進展するに従いほとんどがユダヤ人開業医だった分析医は、英米に亡命するかアウシュッビッツのガス室に消えるかの二者択一を迫られました。ナチスを率いたアドルフ・ヒトラーがポーランド侵攻後の1939年9月19日にダンチヒで行った演説には精神医学的に興味ある一節が挿入されています。「かれら劣等(ポーランド)国民は自らの『劣等感』のために、他者に対してあらゆる野蛮な扱いをするのである。」