(254)柴山雅俊「解離性障害」(ちくま新書)と解離性障害の薬物療法 | データベース制圧の精神科医ブログ、長崎広島原爆・福島原発・第二次大戦・児童虐待・DV・レイプ複雑性PTSDの薬物療法

(254)柴山雅俊「解離性障害」(ちくま新書)と解離性障害の薬物療法

JSTSS(日本PTSD学会)の加藤寛、金吉晴、小西聖子はDSMにおさまる「不安」障害としての小さなPTSDを目指しているが、現在の精神医学の構造を破壊して再編成するハーマンの大きなPTSD(複雑性PTSD)は「解離」を主要な原理とする。岡野憲一郎は4月の福岡JSTSS(日本トラウマティック・ストレス)学会にも今回の日本精神神経学会にも参加しているが柴山雅俊と共に「解離」の小さな在京の研究グループを形成し金吉晴らとは距離を置いているようだ。岡野には去年春に私の複雑性PTSD薬物治療論文を贈呈したが中井久夫先生や清水賢先生のような反応はなかった。柴山雅俊の「解離性障害」は去年秋の出版だが終章(第八章)の解離性障害の治療に奇妙な一節がある。「薬物療法は解離の治療に有効である。解離の総説には、薬物の効果は少ないとか・・書かれていることが多いが・・解離の大部分を占める特定不能の解離性障害(複雑性PTSDのことか?)では・・薬物はかなり効果をあげることができると私は思う。」この後は柴山は薬物治療には触れず、有効であるとした根拠も明らかにしないのだが。