『ギャルボーイ』などでおなじみの中村真理子さんのコミックスです。
Yahoo!の電子書籍で1巻だけ無料だったのを読んで、面白くて一気読みしました。

日本の歴史はいろいろな謎があって大好きなんです。
特に日本書紀や古事記のアレコレは突っ込みどころ満載の面白さです。

山岸凉子氏『日出処の天子』
梅原猛氏『隠された十字架』
里中満智子氏『天上の虹』以下『長屋王残照記』
長岡良子氏『古代ロマンシリーズ』
関裕二氏『蘇我氏の正体』シリーズ

などなど・・・挙げていたらきりがありませんね。

本作は天智天皇(中大兄)の母親である斉明天皇と蘇我入鹿が恋人同士で
大海人皇子はその二人の隠し子という設定です。
母親は一緒なので、異父兄弟の説を取っています。

そして藤原鎌足の正体は、百済王の余豊璋(よ・ほうしょう)となっています。
天上の虹では、幼い讃良の「口がきけなければお世辞を言わなくていい」という言葉に
豊璋が「讃良ちゃんは賢いねぇ」と感心したシーンがありました。

異父兄弟説は以前からあったので特に新しいというわけではありませんが
新鮮だったのは、中大兄が入鹿に恋をしていたという点でしょう。
そして母親が、自分のことは顧みないのに大海人には優しい眼を向けていることへの哀しみ。

斉明天皇にしてみれば愛のない結婚で生まれた中大兄より
本当に愛した入鹿の息子、大海人が愛しくてならないのですね。
母親に顧みられない悲しみで中大兄は、母親を殺してしまうのです。

ところが愛した入鹿に瓜二つの大海人を見ていると中大兄の心は安らぎません。
憎いんだけどトキメイテしまうんですねドキドキ

基本的な歴史の動きはそのままですが愛憎劇がなかなかヨロシイのです。
新羅などの半島の政治についても細かく描いているので、読み応え抜群です。

そしてなりよりも惹きつけられたのは第一巻。
岡倉天心とフェノロサが、法隆寺夢殿の仏像の封印を解くところから始まるのです。
聖徳太子をモデルにしたといわれる救世観音ですが
頭部に釘が打ちこんであったり、仏像の体内に剣が入っていたりと、あり得ない状態で秘仏とされてきたんですね。
封印を解くと天変地異が起こると言われていたそうですよ叫び

ところが本作では、これは入鹿の供養のために大海人が彫らせたものとして話が展開していきます。
まだ連載中なので、早く続きが読みたいです。

歴史好きの皆様にはおススメです。
電子書籍もあります。


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