おもな登場人物



オト次郎くんは急な転勤だったため

部屋探し

荷造り

引っ越し

が数週間しかなくて、とても忙しい日々でした。


入籍のことをひっくり返されたままでしたが

もう一度話し合う余裕もなく

とりあえず引っ越しまでをこなしていました。


オト次郎くんは、「絶対入籍するから」ということで赴任先にはワタシも同行しました。


引っ越してすぐのことです。

今まで


「オト次郎も大人なんだから、オト次郎に任せておけばいいんじゃな〜い?」


と傍観していた兄アニ郎がついに動きました。



「荷解きが落ち着いたら二人でウチに来ない?

入籍を反対する家族としか接してないから疲れたでしょ?

ウチは蘭子さんを歓迎してるよ。

それにウチの嫁ヨメ美となら、姉貴やお袋に対する愚痴の話も合うだろうし笑笑」


と、アニ郎の自宅に招かれたのです。


たしかに、反対する家族とだけの交流で疲れていましたし

何年も白井家の嫁をやっているヨメ美さんに話を聞いてみたい気持ちは大きかったので

お言葉に甘えてお邪魔しました。


…と言っても遠方なので飛行機です。



アニ郎は、オト次郎くんとは全然違うタイプでした。

外見も性格も…


姉のアネ代にはウンザリしているものの、母カマ子に対しては好意的に感じました。


そして、兄嫁のヨメ美さんは…


柔らかい笑顔で人懐こい感じの優しい人でした。

おうちの中もキチンとされていて、料理も上手で

子どもたちも素直でかわいい子たちでした。


ワタシは、人懐こさはあまり無い方なので


「う…ヨメ美さんは上手にお付き合いできていて

ワタシだけが上手じゃないから、こんなにモメてしまったのかもしれない…」


と怯んでしまいました。



でも、話してみると


「あの二人(カマ子&アネ代)と上手く付き合える人なんかいないわよ。

私は、あの二人と関わる時は心を『無』にするようにしてるの。

もはや修行よ…。

夫(アニ郎)は全然守ってくれないから、自分を守れるのは自分だけなのよ。」


とのことでした。


ヨメ美さんへの嫁いびりは、てんこもりすぎるので別テーマにまとめたいと思います。


実の家族であるオト次郎くんやアニ郎の前では言えないことがたくさんあるから詳しくはLINEでね

ということで、連絡先を交換してその日はおいとましました。



失礼ながら…

兄のアニ郎は、口が達者なお調子者…という印象でした。


「オレにはお袋も姉貴も説得できないから、直接は何にもしてあげられないけど

応援してるね」


とのことでした。

ある意味、正直な人です。



でも、ヨメ美さんと繋がることができたのは、大きな収穫でした。

ヨメ美さんのおかげで、その後何度も危機を乗り越えることができるのです。