「佐渡金山」世界遺産登録への警鐘2〜新潟県庁の歴史認識は正常なのか?


平成29年、新潟県庁は、小千谷市茶郷川の源流を創作した。

その過程で小千谷市吉谷に存在した「大倉川」の名称は削除され、茶郷川の名称と茶郷川源流の名称が付された。

新潟県庁の機関「新潟県長岡地域振興局地域整備部小千谷維持管理事務所」によって地域の歴史・文化・慣習を創作した記録が残されているので以下に掲載する。

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『茶郷川治水協議会会報 第20号』
吉谷と市之沢の間の県道沿いに茶郷川の源流の場所を示す石碑が建立されました。11月29日には、石碑建立に関わった茶郷川環境整備協議会の主催により除幕式が行われました。石碑は、の地域プロジェクト事業「市民に愛される茶郷川の源流表示整備事業」により建立されたもので、茶郷川環境整備協議会が日常的な清掃などを行います。広報おぢや12月25日号にも同様の記事が掲載されています。

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資料①
「江戸時代の吉谷村耕地絵図」
字大倉の山より流れ出る大倉川の存在と大倉川・道見川・郡又川の合流によって茶郷川を形成する地形・字名称の存在を示す。
©2024雷神
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資料②

新潟県立文書館の公開する史料

『越後国各郡村誌(皇国地誌) [8]越後国古志郡魚沼郡(新潟県立文書館「越後佐渡デジタルライブラリー」)』より、「村誌 越後国魚沼郡西吉谷村」の山ノ条で記載された大倉川の一節。
「大倉川本村坤ヨリ斜ニ艮位シ千谷郷川ニ合ス…」
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 源流とは、一般の辞典類の解説で「ある川のもととなる水の流れ。水源。」とする意味を取り違え、源流として、大倉川を茶郷川に書き換えた。また、大倉川が源流となるならば、道見川・郡又川・前田川など茶郷川を形成する全ての川の上流が源流となってしまう矛盾を展開している。
  新潟県庁の管轄部署である長岡地域振興局地域整備部は、小千谷維持管理事務所の管理・監督を適正に行っているのだろうか。新潟県庁は、精査する機会を自ら手放した。
事業時期に並立して、県の機関「県立文書館」に所蔵されている記録には、大倉川が存在していた。

地域プロジェクト事業によって予算が執行されたのだらか、新潟県庁組織全体の責任でもある。
茶郷川の始まりより上流に設置される案内看板。
小千谷市吉谷の二俣集落の標識に取り付けられた「創作茶郷川源流への案内看板…茶郷川源流まで2.3km」。
この看板は、二俣の郡又川の合流よりも上流地点にある。