またまた難しい話題ですが 餃子の毒物混入事件等でホットな話題もありますので。


冷凍食品問題はまだ何が原因で流通経路のどの部分で

毒物が混入されたか確定していないので 迂闊なコメントは避けますが

以前ブログ

http://ameblo.jp/ph-d/entry-10046863274.html

でも紹介した海外で作成した歯科技工物の問題です。


当院では原則的には歯科技工物に関しては 国家資格である技工士の免許を有し

詰め物、入れ歯、セラミック、金属の入れ歯、それぞれ専門の歯科技工士に発注をしています。

以前 特殊な差し歯の土台については スウェーデンに発注していましたが

そのときには患者様に説明をして 同意書にサインをして頂きました。


何でも作る技工士さんも当然多いのですが、それぞれの専門としている技工所にお願いしたほうが

良いと考えているからです。

食べもので言えば

日本料理屋さんの板長さんが賄い作る洋食は当然美味しいでしょうが

やはり専門は和食ですから。


2月4日に行われた参議院予算委員会で

民主党の櫻井充参議院議員が、・補正予算・医療費・意思不足、看護師不足・

歯科技工士の惨状・鳥インフルエンザ・などの問題を、パネルを使用しながら、

特に中国で製作される義歯について、養成学校の課題も含め指摘し、

舛添厚労大臣に次のように要旨質問した。

「歯科業界は大変な問題となっています。技工物を中国で製作している現状があります。実は、これがノーチェックなのです。なぜかと言いますと、輸入している歯科の技工物は、雑貨として扱われているからです。病気になるかもしれないものが、雑貨扱いで、チェックしていないのです、如何ですか」 とした。

これに対して舛添厚労大臣は「人件費が安いということで、海外で製作されていることがあることは、歯医者さんから聞いています。しかし、口の中に入るものですから、きちんとすべきだと思ってます。具体的に、17年9月8日、『国外で作製された補綴物等の取り扱いについて』歯科医師に対して注意を喚起し、患者の十分な情報提供して下さい。患者の理解と同意を得てください。
良質かつ適切な歯科医療をすること、指示を出しているところです。」と、歯科医師の判断を担保しているという趣旨の答弁をした。
さらに「雑貨扱いであれば、国民の健康が守れないということであれば、法制面も含めて、しかるべき手を早急に検討していきたい」とした。


などというやり取りが行われたそうです。


昨日のブログにも書きましたが

我々保険診療を行う場合には全国一律料金であり

例えば虫歯が大きかろうが、小さかろうが 詰め物の金属の重さが多くなったとしても

金属代込みの統一料金です。
ですので経費圧縮の名目で海外で行う歯科技工物が存在しているのです。


当医院では消毒・滅菌もスタンダードプリコーションに準じて全ての器具の滅菌・消毒を

行っています。そのランニングコストもかかるのですが

残念ながら診療報酬には反映されません。

しかしながら 患者様の健康を考え そして従業員にも安心して働ける環境を作り上げる

必須のコストですので削減なんて考えてもいません。


国内法のグレーゾーンであり コスト圧縮のための

人件費が安いことを利用した安価な海外技工物が存在するのは残念です。

またそれを利用する同業者 (本来ならば同じくくりにはされたくないのですが)

がいることはもっと残念です。


短時間にしろ予算委員会で取り上げられたことは有意義なことですね。