まだこんなことがまかり通っているのかと思い

憤慨しております。



週刊朝日の記事なのですが

歯科医療に入り込む中国製 有害 義歯

という特集です。


中国産が色々問題にはなっていますが

中国産だから問題というわけではありません。

まず歯科技工法によって歯科技工を行う者は

国家資格である歯科技工士の資格を取得する必要があり

その上で歯科技工を生業と出来るのです。

中国では歯科医師でさえ数年前に国家資格試験が出来ました。

それまでは 歯科大学を卒業どころか田舎では歯科医院で門前の小僧

のごとく修行するだけで歯科医師と名乗れたのです。

国家資格は出来たものの 国家資格を有する歯科医師はまだそんなに

多くはありません。

そんな事情ですから当然歯科技工士の資格なんてありません。

まぁ資格云々よりどうなんでしょうね。


意思の疎通が図れるのですかね。

我々歯科医師は歯科医師法にのっとり 歯科技工士に指示書で指示をし

そして住所 責任者等を記入し 押印して歯科技工士に指示を出します。

当然個人個人色々な歯をしているわけですから

色々な指示があるわけです。


では何故中国・韓国・台湾へ歯科技工物を委託する会社があるのでしょうか。

それはコストの問題が非常に大きいのです。

保険診療は診療報酬が決まっています。

たとえ同じ処置をしても日本全国北から南まで請求金額は全国統一です。


例えば歯の詰め物の金属(決められている 金銀パラジウム合金)

の量が虫歯が大きくて重くなっても 小さな虫歯でも

金属の量は異なっても 請求金額は一緒です。

歯科の診療報酬は年々改定ごとに平均7%程度削減されていて

我々は経費削減が重要な課題ではあります。


しかしながら私は経費削減を診療の質に直接関係する部分で

行うという発想自体が考えられません。


少なくとも当院で行う診療は 詰め物 入れ歯 ブリッジそれぞれ

得意な専門技工士さんに技工を委託しています。

そして何かあればコミュニケーションとして電話やメール等々で

お互いの意思の疎通を図っています。

当然何社との契約になりますのでボリュームディスカウントが

効きませんから経費としては無駄であるかもしれません。


しかしながら自分の診療に対する質を常に一定レベル以上に

保つためには仕方のないことであると考えています。


海外(中国 韓国 台湾)等に歯科技工を委託している会社は

ネットで検索をするとびっくりするくらいあり、そのコストもかなり安い

のです。

記事では海外歯科技工はグレーゾーンであるみたいな感じでしたが

日本歯科技工士会は何年も前から違法性を厚生労働省をはじめ

関係各所に出しています。


法令順守 コンプライアンスの遵守は当然以前の当たり前ではないでしょうか。


そして私は少なくとも 医療人であることについてほこりをもって仕事をしています。