重度の歯周病があると2型糖尿病を発症しやすいことが、日本人の中年男性を対象に行った調査でわかった。歯周病による歯の動揺(ぐらつき)があると2型糖尿病を発症するリスクが高い可能性があるという。

研究を率いた東京大学大学院公衆衛生学の宮脇敦士氏らは、歯周病治療が全身性の炎症レベルやインスリン抵抗性、血糖コントロールを改善するとの報告もあり、歯の動揺を伴う重度の歯周病への対策が2型糖尿病の予防につながるとの見方を示している。詳細は「PLOS ONE」オンライン版に4月26日掲載された。

歯周病と2型糖尿病の関連については、2008年に米国健康栄養実態調査(NHANES)の結果から、中等度~重度の歯周病があると糖尿病リスクが上昇することが報告されている。一方で、日本人の男女約5,800人を対象に行われた7年間の観察研究では、重度の歯周病と2型糖尿病の新規発症が関連する傾向がみられたが、有意な関連ではないことが示されている。

そこで、同氏らは、ある企業の従業員を対象に、2004年から健康管理事業の一環で行っている「MYヘルスアップ研究」の参加者を対象に、歯周病と2型糖尿病との関連を検討する縦断観察研究を行った。

対象は、糖尿病のない35~55歳の男性従業員。2004年の定期健康診断を受診し、同時に自記式質問票に回答した2,469人を5年間追跡した。歯周病の状態は、(1)歯肉出血と(2)動揺歯の2つに分けて検討した。また、糖尿病の有無は、自己申告あるいは空腹時血糖値(126mg/dL以上)、2008~2009年はHbA1c値(6.5%以上)も用いて判定した。

5年間の追跡期間中、対象者のうち133人が新たに2型糖尿病を発症した。年齢や喫煙習慣、BMI、糖尿病家族歴など複数の因子により調整した解析で、動揺歯の存在は2型糖尿病の発症と有意に関連することがわかった(調整後の相対リスク1.73、95%信頼区間1.14~2.64、P<0.05)。一方で、歯肉出血と2型糖尿病発症との間には有意な関連は認められなかった(同1.32、0.95~1.85)。これらの関連性は、糖尿病前症の影響により調整した解析でも同様の結果が得られたという。

[2016年05月09日/HealthDayNews]Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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