美学の練習 | 読書日記 Reading Diary

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時間作って読んだ本も、読みっぱなしではもったいない…。

備忘録を兼ねつつ、まとめてみました。

実生活に少しでも活かすことができると良いなあ。

『美学の練習』(津上英輔著)を読みました。


 この本は、読者が自ら美と芸術について考え、その結果を自らの生に活かす手がかりとなることを目的として書かれた本です。


 興味を持ち、読んでみることにしました。


 この本から学んだことは…(以下、本文抜粋)

・美の定義…私に快と感じられる、もののよさ。

  もの(よさ)→快

  もの→客観的認識(よさ)→快


・快とは

  積極的快→苦を前提としない

  消極的快→苦(不快)の除去、生存に直結


・三大価値…真・善・美

 判定構造は、真・善は三項構造、美は二項構造 


・バウムガルテン(1714〜62)の「感性的認識」が美的判定に重なり、実質的に美の自律性と三大価値、真・善・美の思想を哲学的に表明している。


・美しいものは、互いに損ない合うかもしれない諸要素が均衡している状態。美=調和。


・美的範疇

 客観的に見れば欠陥であるものを含むにも関わらず、それゆえに我々にとって魅力になること。


・感性化

 対象が何であるかにかかわらず、判定主体の側で、心の働きの変化として生じる場合もあれば、対象の側で起きることもある。


・感性の独特な働き

 ①複数の要素を一つに捉える(統合作用)

 ②不快を好む

 ③統合反転作用

 ④行為を律する


・芸術とほ、人間がどこまでできるか試す、あるいは術の限界を拡張する営み。毎回の試みが挑戦。

 例外なく否定のない絶対的肯定の様態。


・術はもともと自然の克服。


・芸術の自律性は美の自律性に含まれ、依存する。


・芸術には、「術の中の術」と「術を超える術」の面がある。

 「術を超える術」は、人間存在のあり方そのもの。


・術を越える術…水平方向の外部への越境を意味する。芸術が何をなし得るかを理解することが大切。


・芸術の危険…善意の欺瞞を働く

(ここまで)


 自分の感性や知性を磨くことで、さまざまなことを考える楽しみがあることを教えていただいた本でした。

 美学の定義を踏まえ、感性や知性を磨いて人生がより豊かにしていきたいと思います。