『反脆弱性 上・下』(ナシーム・ニコラス・タレブ著)を読みました。
不確実な世界を強かに生き延びていくための答えとして、著者は「反脆弱性」を提唱しています。
興味を持ち、読んでみることにしました。
この本から学んだことは…(以下、本文抜粋)
・反脆さ(はんもろさ)とは、衝撃を利益に変えるものである。
そういうものは、変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長・繁栄する。
そして冒険、リスク、不確実性を愛する。この現象のことを形容した言葉。
・反脆さの仕組みを理解することで、予測に頼らず意思決定を下すための体系的で包括的な指針を築くことができる。
・ブラック・スワンとは.巨大な影響をもたらす、大規模で予測不能で、突発的な事象を意味する。
・反脆さをきちんと理解すれば、ブラック・スワンが全てのものにとって不可欠な役割を果たしていることを、知的に臆することなく受け入れられるようになる。
・領域依存
普段学んでいる文脈から離れると、概念を認識できなくなってしまう状態。
・冗長性
一般的な意味では必要最低限のものに加え、余分や重複がある状態のこと。
システムの根幹をなすリスク管理となる。
・安定を実現するには、ノイズを管理し、自然な成り行きに任せるメカニズムを取り入れた方がいい。
・変化なくして安定なし。人生の摂理のひとつ。
・著者が定義する現代性とは、人間が環境を大規模に支配し、でこぼこした世界を几帳面にならし、変動性やストレスを抑えようとすること。
・システムに自然に備わっている反脆さや自浄作用を無視するのはやめよう。
・先延ばしは、物事を自然の成り行きに任せ、反脆さを働かせる、人間の本能的な防衛手段。
・人間の立派さは、自分の意見を貫くためにどれだけ個人的リスクを冒したかに比例する。
・人間から奪うことのできないものが善行と美徳。
・反脆さは、極端なダウンサイドを減らし、アップサイドが自然とやってくるのを待つ。
・バーベル戦略
中間には手を加えず、両極端の要素を組み合わせる二重戦略。この戦略を取ると、必ず良い意味での非対称性が生まれる。不確実性を手懐けること。
・オプション=非対称性+理性
反脆さの武器。知識の代わりになる。
・少ないほど豊か。行動は物事の核心だけを浮かび上がらせる。
・鉄則
①オプション性を探し、それに従って物事をランクづけすること。
②ペイオフに上限がないものを探す。
③人間に投資すること。
④バーベル戦略を取ること。
・発見のプロセスは、ランダム性を重視する反脆い状況。
・何を避けるべきかを学ぶのが人生。
・未来は過去にある。
(ここまで)
多くの事例を示しながらの説明で、あっという間に読み進めることができました。
変化なくして安定なし! 目の前にある事物に対し、「脆弱/頑健/反脆弱」という思考のものさしを用いてよく見ていきたいと思います。