その日
喉が渇き起き出した
リビングのソファーで僕はテレビをつけた
奇妙な静寂が世界を支配していた
僕は落ち着かず部屋の中を歩きまわり
右の拳を強く握り締めた
「戦争が始まってしまう」そう思ったから
朝が来て
街は何も変わらず動き出していた
母親は自転車の後ろに子供を乗せ
サラリーマンはワイシャツの襟を少し汚していた
僕はささくれた指先を見て
それからローファーのつま先を見た
見上げた空は絵の具のように鮮やかな青色
「何かが間違っている」
人並みに逆らい僕は走った
乾いた風に心臓の音が聞こえる
僕は生きている
今日確かに、今この時を
生き続けている
