赤く揺らめく炎の中の向こう側、
 
 
彼女は寂しそうにぼくをみる。
 
 
「どうしてもベルとは来てくれないの?」
 
 
「ベル、ぼくは…、」
 
 
「そんなに、大事なの?ベルより、シルヴィエよりも大切なの?」
 
 
きっと、あの頃なら「そんなことない、きみが一番だよ」って言えた。
 
 
「…っ!答えて!」
 
 
でも、気がついてしまったんだ。
 
 
あれは夢なんかじゃない。
 
 
「…そうだよ、君よりずっと大切だ」
 
 
「…、わかったよ、でも、ベルはシリルを諦めるつもりなんてないからっ」
 
 
うそだ。
 
 
きみが大切な人なのは今も昔も変わらない。
 
 
ぼくだって、きみが好きだ。
 
 
「良かったのかい?」
 
 
「…そんなこと聞くなんてずるいよ」
 
 
チトセと共に行ってしまった彼女。
 
 
煙は炎に煽られて黒くなる。
 
 
「コンウェイ、またぼくの話、聞いてくれる?」
 
 
「…君さえよければ、いつでも」
 
 
本当に狡い人だ。
 
 
きみも奥底ではきっと気がついているはずなのに。
 
 
そんな言い方ばかりだ。
 
 
でもね、
 
 
そんなきみがさ、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あの頃から好きだったんだよ。
(…うまく、伝えられるだろうか?)