純白のマントを翻し、夜の街をかけるそいつは所謂、俺の先輩である。
「何をやってるの?タイガー」
ほら急がないと、と俺の腕をつかむ小柄なその男はにっこりと微笑んだ。
…この展開はもしや、
「ちょ、アル、まさか、」
「ほら、いっくよー!」
「え、…ちょ、まじたんまっ!」
そうして俺はこの先輩ヒーローに光にされたのだ。
「虎徹ー?まだ怒ってるの?」
大人気ないなぁ、なんてにやにや笑いながら俺の頬をつつくこの小柄でガキのような男は所謂先輩で、俺より少しばかり年上で、尚且つ妻子持ちである。
「お前、何回言えばわかんだよ…」
「んー?」
「急に走るなっつってんだよっ!あと、お前と俺じゃ身体のサイズがちげーんだよ!あんな狭いとこ通れるわけねぇだろ!」
「なんだよタイガー、反抗期?」
「えぇ、ナイト先輩のお陰でね!」
そんな怒んないでよー、なんてへらへら笑うこいつが世の中の女性が憧れる『マジックナイト』だなんて誰が信じる?
「ほらほら、そんな顔しない!アントニオも誘って飲みに行こうよ?」
先輩がご馳走してあげよう!だなんて、子供っぽく笑うから俺はなんだかんだでこの先輩を許してしまうのだ。
ナイト様は落ち着かない!
「タイガー!また遅いー!ダッシュだよ!」
「ちょ、だからやめろー!」