本当はずっと前から知っていた。
 
いつもアイツを真っ直ぐに見つめてる彼女の事を。
 
幼い顔がアイツを見付けて、少し赤らむ事も、その周りの俺達を見て悲しそうに沈むことも全部分かってた。
 
そして、彼女がアイツを思うように、アイツも、完二も自分じゃ気がついてないけど、志知花が好きだってことを。
 
 
「志知花ー、一緒に帰ろう」
 
机で眠る志知花を揺する。今日は月曜日だから、完二は学校には、いない。
 
日も落ちかけてて、教室にはオレと志知花だけだった。
 
初めてではない、三年生の教室。
 
いつもは、完二が居るときにしか来ない場所だ。
 
「志知花、起きて」
 
さっきよりも少し強めに揺するけど、起きる気配はない。
 
(前髪、少し延びたな…)
 
彼女の瞼にかかった、前髪を払うと小さくアイツの名前を呟いた。
 
「…志知花は完二しか、見えてないんだよな」
 
自分でも、馬鹿だと思う。
 
「…それでも、志知花が好きなんだ」
 
彼女には、俺の思いなんて、届かない。
 
それでも、傍に居たいと思う俺は、きっと馬鹿なんだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
好きだとは
言えなくて…。
 
眠る君の額にキスを落とす。
 
そんな事したって、魔法はかからないのに。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
完→←夢主←主
 
なんだかんだで夢主が好きな番長だったらいい。