うなぎゅーぬ | 四国の釣バカです@Ameba

うなぎゅーぬ

http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_180223_j.html

上記から引用です。
なお記事はウナギの産卵は日本から数千キロの場所であることが分かったこと。しかしながら、そこまで日本の近海・河川などで育った親ウナギ達がどうやって移動するのか?ということは全くわかっておりません。つい先日アメリカウナギの親にGPSを取り付けて50日程度追跡した記事がありましたが、一日約50キロ移動し、時には700メータの深海を泳いで移動していることが分かったらしいです。日本のウナギ達も恐らく同じようなことなのでしょう。
 このように異常とも思える移動を伴うウナギの種の保存サイクルを考えると、一度減ったウナギの数は、それほど簡単に増える事はないと予想されます。大切に食べてあげたいですね。うなぎちゃん。
もちろん、これはウナギだけの話ではなく、他の繁殖サイクルの長い生物も同様でしょう。

「ウナギはどこで産卵するか?」。この謎は,古代ギリシャのアリストテレス以来,生物学者を悩ませてきた。前世紀初頭(1922年),ようやくデンマーク の海洋学者ヨハネス・シュミット博士は,大西洋のアメリカウナギとヨーロッパウナギが,共にサルガッソー海に産卵場を持つことを明らかにした。
一方,太平洋のウナギの産卵場調査は1930年代に始まったが,最初のニホンウナギのレプトセファルスが採集されたのは,1967年になってからである。 その後も調査が継続され,1991年7月,我々はついに東京大学海洋研究所の白鳳丸により,全長10 mm前後のニホンウナギのレプトセファルス約1000尾が採集され,北緯15度,東経140度あたりが産卵場であることがわかった。ここで生まれたニホン ウナギの仔魚が,北赤道海流・黒潮を経て,約3000kmの旅をして東アジアまでやってくる。
この時点で,我が国のウナギ産卵場調査は大西洋に追いついたといえる。しかし,厳密な意味では,現在世界に18種いるウナギの産卵場は,まだ一種たりとも 明らかになったとは言えなかった。なぜなら,孵化したての仔魚や卵,さらには産卵中の親ウナギはまだ見つかっていなかったからである。
私たちは,これまでのすべてのレプトセファルスの採集記録と海流データ,および海底地形図を詳細に解析した結果,ニホンウナギの産卵場はマリアナ諸島の北 西約200マイルの地点にある3つの海山であると推定した(海山仮説)。さらに,レプトセファルスの耳石から日齢を求め誕生日を調べたところ,ニホンウナ ギは新月に同期して,一斉に産卵すると考えられた(新月仮説)。
これらの仮説に基づいて1998年6月の新月には,ドイツ・マックスプランク研究所の潜水艇JAGO号を白鳳丸に積み込み,海山で産卵中の親ウナギを直接 観察しようと試みた。しかし計27回・91時間に及ぶ潜水調査にもかかわらず,産卵中のウナギを発見することはできなかった。
2005年の調査では,新たに考案した大型プランクトンネットを導入した。そして6月7日の新月の日,ついに目も口もできていない孵化したばかりのニホン ウナギ・プレレプトセファルス(全長4.2-6.5mm)数百匹を採集することに成功した。未発達で形態による種査定ができないプレレプトセファルスにつ いて,遺伝子解析により明確に種を特定したのは今回が初めてのことである。
採集場所は,海山仮説により予測されていた3つの海山のうち,最南のスルガ海山西100km足らずの地点であった。プレレプトセファルスの耳石による日齢 解析から,これらが孵化したのは新月の2日前,親魚が産卵したのはそのさらに2日前と推定された。周辺の海流の速度と,プレレプトセファルスの日齢から推 定した産卵場は,まさにスルガ海山のごく近傍であり,世界で初めてウナギの産卵場をピンポイントで特定することができた。
さらに,これまでに得られた全てのデータをあわせると,ニホンウナギの小型レプトセファルスの分布は,大西洋のウナギに比べて著しく狭いことが明らかに なった。ニホンウナギは,北赤道海流から黒潮へ乗り換えて首尾よく東アジアへ回遊してくるためには,厳密に決まったピンポイントの地点で卵を産む必要があ るものと考えられた。