トレーニング前にストレッチをする人は多いのではないでしょうか?最新のエビデンスではトレーニング前にストレッチを行うと筋肥大効果が抑制されることがわかっています。
ストレッチがトレーニングによる筋肥大の効果を減少させる可能性を最初に示したのは、ルイジアナ州立大学の研究です。
2005年、ストレッチがトレーニングの運動回数を低下させることを明らかにしました。
被験者にストレッチを行った場合と行わない場合で、最大筋力の60%のレッグカールを疲労困憊まで行わせました。レッグカールの運動回数をカウントした結果、ストレッチをした場合、運動回数が24%も少なくなることがわかったのです。
さらに2012年、サンパウロ大学は、ストレッチが運動回数だけでなく総負荷量も減少させることを明らかにしました。
トレーニング経験のある被験者に対して、ストレッチを行った場合と行わない場合で、最大筋力の80%のレッグプレスを疲労困憊になるまで行わせ、8セット繰り返しました。ストレッチはレッグプレスの主動作筋である大殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングスを対象として行われました。
その結果、ストレッチを行った場合は、8セットの運動回数が18%、総負荷量が23%も減少することがわかったのです。これらの報告から、トレーニング前のストレッチは、運動回数の減少を招き、結果として総負荷量を低下させることが示唆されました。
なぜストレッチが筋トレのパフォーマンスを下げるのか?その理由としては
1.ストレッチをすると運動単位といって筋力を発揮させる神経の伝達を抑制させる。
2.筋肉には弾性要素といってゴムのような伸び縮みする性質があるがストレッチをするとその弾性要素が低下する。
3.ストレッチを長く続けると筋肉が阻血状態になってしまい疲労物質を除去できなくなるから。
この3つの理由が考えられています。
またカンピナス州立大学は2017年7月、ストレッチがトレーニングによる筋肥大の効果を減少させることを明らかにしました。
被験者をストレッチとトレーニングを行うグループとトレーニングのみを行うグループに分け、週2回のトレーニングを10週間継続し、トレーニング時の運動回数と総負荷量、10週間後の外側広筋の筋断面積が計測されました。
トレーニングはレッグエクステンションを最大負荷の80%で疲労困憊になるまで繰り返し、これを4セット行いました。ストレッチは大腿四頭筋を対象に60秒間のストレッチが行われました。
その結果、ストレッチを行ったグループは、運動回数、総負荷量ともに有意な減少を示しました。外側広筋の筋肥大を示す筋断面積は、トレーニングのみのグループは12.7%増加したのに対して、ストレッチを行ったグループは7.2%の増加に留まりました。
これらの結果から、ストレッチが運動回数、総負荷量の減少に関係し、トレーニングによる長期的な筋肥大の効果を低下させることを示唆しているのです。
最後にはカンピナス州立大学こう提言しています。
「筋肥大を目的するならば、トレーニング前のストレッチを行うべきではない」
トレーニング前のストレッチは筋肥大の効果が損なわれる可能性があるのです。筋肥大目的でどうしてもストレッチをしたい場合は30秒以内にすれば、パフォーマンスに影響しないことがエビデンスで分かっています。筋肥大に影響しないウォーミングアップは10分程度の有酸素運動を行うか、トレーニング動作を軽めの負荷で反復することを推奨します。
科学的根拠を参考にしながらトレーニングを効率的に行っていきましょう。
詳しくは http://at-ml.jp/74059/?p=5&fwType=amb&blog=6490
