本日、無事に不朽の名作『おしん』を観終わりました。
いやー、面白かったですね。
昔のドラマの方が良かった、なんてジジ臭いことを言うつもりはありませんが良いものは良いということで。
意外だったのは演者のセリフ”噛み”。
橋田ドラマは長セリフで覚えるのが大変だ、みたいなのを目にしたことがあります。
確かに渡鬼なんかは、異常にセリフが長いですよね。
レギュラーではなく特番になってからはさらにその傾向が。
初見の人にも相関が分かるようにという意図なのか、説明じみたセリフが多いと思っていました。
いろんな役者が居ますがそのレベルに達していないとの判断なのか、あるいは日程的に押してて取り直す余裕なんかなかったのか。
まあ実生活だって噛む人なんかいくらでもいるわけですから、別にこれでいいと思いますけどね。
もっと言えば、大意が変わっていなければセリフの言い回しが変わってもいいと思います。
そういう意味で言うと気になったのはおしんの次男である仁と養子である希望の関係性。
同い年で子供のころは対等な付き合いをしてきたはず。
それが田倉の家業を手伝わずに陶芸の道に進んだからなのか、そもそも実子でないという遠慮からなのか「仁君」と呼んでやけによそよそしい感じに。
そのまま続けばそれでいいんですけど、終盤にはまたタメ口且つ呼び捨て。
何でなんだろ??
自分の中での登場人物の感想を。
まずは善人と言うか尊敬できる人物のベスト3を。
一位は、おしんの奉公先・加賀屋の大奥様である八代くにです。
たかがと言って良いと思いますが、奉公人である貧乏小作娘のおしんの資質を見抜き手習いして立派な教育を施しました。
もっとも、当初はと言うか本心は愛孫である加代の当て馬としての目的だったかもしれません。
でも何れにせよ、最後までそんなことを感じさせず大きな愛情を持って主人公・おしんを見守っていたと思います。
おしんに訊いたって大奥様が一番って言うんじゃないかと。
いや、男女関係も含めて浩太さんなのかな・・・。
二位はおしんの長男である田倉雄でしょう。
主人公であるおしんでさえその頑固さというか気の強さ故に反感を買う場面が多かったように思いますが、この雄は誰からも好かれていたと思います。
子供のころから雄坊と周りから可愛がられ、苦労したおしんの姿を見ながら育ったせいか、と言うかむしろ逆に苦労した割には捻くれたところも無く凄く純粋と言うか。
若くして死んで美化されたせいもあるかもしれませんが、物語中屈指の人格者と思います。
三位はこの雄と結ばれるはずだった初子。
老いとともに頑固さが増す、演者が乙羽信子に替わった後のおしんの良きブレーキ役になっていたと思います。
彼女の「母さん・・・」って困り顔(?)で言うセリフは劇中一番多いんじゃないかと思うくらいです。
惜しくも次点は八代希望でしょうか。
優しさでは劇中一番かもしれませんが、加賀屋一族全滅して孤児となったせいなのか、万事控えめ過ぎると言うか。
まあでも、この希望の息子である圭がストーリーテラー的な立場と言うか、回想場面でのおしんの旅相手になるわけですから血の繋がっていないこちらの方におしんは情が湧くんでしょうね。
最後に圭が加賀屋を再興するんだって宣言してましたしね。
で、更に次々点として。
源じいこと源右衛門ですね。
最初おしんを認めていなかったという点でマイナスではありますが、三男でボンボンの竜三のお目付け役としては致し方ないところ。
個人的には一番手に挙げたいくらい好きなキャラクターです。
さて、ワーストの方もね。
一位は断トツでおしんの次男、仁でしょう。
終戦直後の逞しさでちょっと見直すべきかと思いましたが、ほかは幼少期も結婚前後を含めた青年期も含めて完全なクソ野郎。
本人のクズっぷりは致し方ないにしても、妻に対して頭が上がらないのは情けないにもほどがあります。
まあ最終回に向けて徐々に修正が入った感じですがw。
二位はおしんの夫かつ仁の父でもある竜三でしょうね。
マザコン気質ですし度々クズっぷりを発揮してますが、最悪なのは終戦直後に自殺することでしょう。
おしんや仁は百歩譲って理解できるとして、年端も行かない末娘の禎を残して死ぬなんて。
しかも最後にわざわざ会いに行くって。
下手したらトラウマになりかねませんよね。
三位はおしんの義母・田倉清でしょうか。
悪人度合いで言うと一番手に来る人物でしょうけど、劇中おしん自身が何度も言っているように彼女にしてみたら気に入らない嫁だったのは事実。
いじめはきつかったですが、竜三死後の良い方向への豹変ぶりをみて三位に留めておきます。
こちらでの次点は仁の妻・道子。
人間的には一位に挙げた夫である仁より酷いと思います。
姑であるおしんを敵対視するのはいいとして、善意でサポートしてくれる初子に対してまで悪意を持つなんて。
ただ、良くも悪くもお嬢様育ちという事で。
育った環境が悪く、本人のせいではないという意味でこの順位に留めておきたいなと。
こちらも次々点を挙げておきましょう。
おしんの兄・庄司もなかなかですが、その嫁のとらはそれに輪をかけてひどく。
最後におしんはそれも仕方ないと理解したみたいですけどね。
登場回数が少ないのでここに留めておきますがメジャーキャラだったら一位に格上げでしょうね。