今、朝ドラ100作目として広瀬すず主演の「なつぞら」を放送している。アニメーターを扱うということで注目している。先日の放送では、いよいよアニメが出て来た。原画、動画、セル画といったアニメ用語の解説もなされた。今後は、絵コンテとか、ライブアクションといった用語も解説されるのではないかと思っている。
まんが映画と盛んに言われるのが、気になるが当時は一般にそういわれていたので仕方がないと思う。その影響でTVアニメも初期は、TVまんがと言われていた。しかし、「TVアニメ」と「TVまんが」では、微妙に意味がちがう。「TVアニメ」は、文字通りアニメーション作品のみを指すが、「TVまんが」は、アニメだけだなく、仮面ライダー、ウルトラマンといった実写作品も含むのである。
モデルとなっている会社は、日本動画という会社で、のちの東映動画(現、東映アニメーション)である。日動は、戦前からのベテランアニメーター政岡憲三を中心に山本早苗(善次郎)らが起こした会社。ルーツとなる日本漫画映画社は、1946(昭和21)年に、日本版「ファンタジア」である「桜」を製作している。朝ドラで主人公なつが、ファンタジアを見るシーンがあったが、桜は、ファンタジアと同じくクラシック音楽に合わせてアニメが展開される。ウェーバー作曲「舞踏への勧誘」である。京都を舞台に、桜満開の中でストーリーが展開される。
朝ドラの中で、今作っている作品のセル画として見せられたのは、実際に東映の教育映画として作った「こねこのらくがき」(1957[昭和32]年)のキャラクター、また、前作のセル画として主人公にプレゼントされたのは、「子うさぎものがたり」(1954[昭和29]年製作)をイメージしていると思われる。同作も、ディズニーの「バンビ」に影響されて製作されたと言われている。
現在は、最後のセルアニメ「サザエさん」が、2013(平成25)年にCG化されてから作られていないが、1970年代くらいまでは、使用済みのセル画は、見学者にプレゼントされていたようだし、実際に私のネットの知り合いは、タツノコプロでもらったと言っていた。また、80年代のアニメブーム以降は、貴重な商品となっている。フランダースの犬などの名作劇場で知られる日本アニメーションでは、使用済みのセル画を販売する部門があり、購入しに来たアニメファンに対して、売り子のおばちゃんが、「はい、おたくは、これ」という様に言っていて、ファンが面白がってその口調をまねたことから、アニメファンのことをオタクというようになったとも言う。
本日の朝ドラでふれられていたのは、劇中では、「白蛇姫」と言っていたが、東映動画の第1作となった「白蛇伝」というアニメであった。声の出演者に、森繁久弥と宮城まり子を起用したり、アニメの絵を描くのにライブアクション、つまり実際の役者に衣装をつけて動かしスケッチするという贅沢な手法を取ったりしたそうだ。なお、ヒロインのモデルをしたのは、ニューフェイス時代の佐久間良子だという。
その後、東映動画は、TVアニメに進出し、第一作「狼少年ケン」が放送されたのは、1963(昭和38)年11月のことである。
なお、TVアニメ第1作は、1958(昭和33)年7月14日に日本TVで放送された「もぐらのアバンチュール」。これは、ロカビリー歌手で、俳優としては、お姐ちゃんトリオの人でもあった中島そのみ主演のカラーアニメ。
つづいて、1960(昭和35)年1月15日にNHKで放送された「新しい動画3つのはなし」。これは、モノクロではあるが、タイトル通り、3編のショートフィルムのオムニバスである。案内役は、中村メイコ。朝ドラと同じNHKなので、朝ドラの中でも、ふれられるのではと思っている。
さらに、1961(昭和36)5月1日より、フジTVで放送された「インスタントヒストリー」という短編シリーズ。これは、フクちゃんや、横浜の崎陽軒のシウマイの醤油さしのキャラクターひょうちゃんで知られる漫画家横山隆一先生のおとぎプロダクションが製作したもの。同社のアニメーターには、藤子不二雄先生たちトキワ荘グループのメンバーであり、ラーメン大好き小池さんのモデルとしても知られる鈴木伸一(漫画家としてのペンネームは、風太朗)さんがいた。
そして、最初のTVアニメとして紹介されることが多い、最初の30分番組のTVシリーズが、手塚治虫先生の虫プロが作った「鉄腕アトム」である。
虫プロは、それを成功させるために、リミテッドアニメーション、キャラクター全体を動かすのではなく、しゃべっている時、口だけを動かす。そうすると口の部分だけのセル画を描けばいいので手間が省ける。また、バンクシステム、セル画を廃棄せず取っておいて使いまわしするシステムステムなどを開発した。
昔のアニメが、今のアニメより、あったかみがあると言われる理由の一つは、セルであるがゆえに、CGより動きが緩慢であったり、CGでは、理論上、無限に絵を重ねられるが、セルの場合、どうしても、枚数をたくさん重ねると輪郭がボヤけてきてしまうことがあげられる。
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