昨年12月に刊行された、下記の本の書評が『週刊読書人』2024年6月7日号に掲載されました。
エリック・J・シャープ、『比較宗教学 ひとつの歴史/物語』
久保田浩・江川純一・シュルーター智子監修、
シュルーター智子・藁科智恵・渡邉頼陽・小藤朋保訳、国書刊行会、2023年
評者は大阪教育大学名誉教授の岩田文昭先生です。
岩田文昭「高い学習レベルが想定された宗教学入門テキスト 宗教学学説史として国際的評価の定まった一冊」
実に読み応えのある書評で、本書の内容と意義が丁寧に紹介されており、ありがたい気持ちでいっぱいです。訳者の方々も喜んでくれることでしょう。
文中で先生は、かつて、Jacques Waardenburg, Classical Approaches to the Study of Religion (1973-74)の翻訳出版計画(ヴァールデンブルク『宗教研究への古典的アプローチ』)が存在したことに触れていらっしゃいます。これはまったく初耳でして、刊行に至らなかったのが残念です。同書はペッタッツォーニについても一章が割かれている良書で、現在は第二版が流通しています。勝手ながら「今後の展開」を期待せずにはいられません。
シャープ『比較宗教学』は、宗教学に興味を持った人が最初に手に取るべき書物になりえると思っています。
「解説」も読みごたえがあるはずですので、お手に取っていただければ幸いです。