情けない話だが、僕は年に四回、季節の変わり目に具合が悪くなる。
今回も先週あたりからおかしい。
発熱はないし、咳も全く出ないけれど、ふらふらしている。
快適な春の日が過ぎてしまったサインであり、(不本意ながら)もう夏を受け入れなければならないのかもしれない。

僕たちには基本的に休みというものがない。
ひたすら、外での仕事(授業や学務)と、家での作業(本の仕事や研究)の反復である。
もちろん、外での仕事には夏期や冬期の休暇があるけれど、家での作業が多くなるだけなので、休息ではない。

となると、心身にオフをもたらし、作業へのパッションを高めてくれるものが必要となってくる。
僕の場合、それはなんといっても音楽である(このブログに音楽の話題が多いのもそのため)。

若き音楽家たちに、時折伝えていることがある。
研究者、特に西洋文化の研究者には、クラシック音楽から悦びを与えられている者(贈与を受け取っている者)が数多くいる。君たちが幼少時から日々取り組んでいるものが確実に研究の糧となっていることを覚えておいて欲しい。つまり、僕が君たちに自分が学んできたものを教えているのにはお返し(反対贈与)の意味があるのだ、と。
別に格好つけているつもりはなく、正直な思いである。(君たちはとても大切なものに関わっているのですよ、と言いたいのだけれど、伝わっているかなあ。)

さて、クラシック音楽ではないが、この頃、何度も何度も聴いているのがこれ。


Yoshinori Sunahara「LOVEBEAT」(2001)(公式)


もう23年になるのか…MVも秀逸。
耳を傾けるたびに1ミリずつ元気になる。


30年以上前になるけれど、高校の元クラスメイトに、セロニアス・モンクとグレン・グールドと電気グルーヴを愛するバンドマンがいた。お互いに大学生になってから、彼が「デリック・メイとエイフェックス・ツインとケン・イシイをとにかく聴け」としつこく言うので、テクノやエレクトロニカと言われる分野も垣間みることができた。

いま思えば、とてもありがたかった。


爾来、砂原良徳の音楽に継続的に耳を傾けている。
(この頃、通勤時には『LOVEBEAT 2021 Optimized Re-Master』を聴いています。オリジナルとはネジの締め方、浮上・沈潜する音が異なるので、愉しいです。)


音数が多くないのに、「無限」が発生する。

本当に素晴らしい。

追記
これもめちゃめちゃ格好いいです。
Yoshinori Sunahara | Boiler Room Tokyo x Super Dommune