恒例の『週刊読書人』年末アンケート「二〇二三年の収穫」に参加させていただきました。

今回で11回目となります。

 

 

以下、これまでに選んだ本の一覧を載せておきます(今年のものは、いずれ)。

10回目だった昨年アップすべきだったのでしょうが、なに記念でもないというのも有りかなと思った次第です。

「二〇二二年の収穫」2022年12月16日号
・富岡直人『入門欧米考古学』(同成社)
・塩尻和子、津城寛文、吉水千鶴子監修『新版 一冊でわかるイラストでわかる 図解宗教史』(成美堂出版)
・三浦淳史『英国音楽大全 「イギリス音楽」エッセイ・評論&楽曲解説集』(音楽之友社)

「二〇二一年の収穫」2021年12月10日号
・『高橋英夫著作集 テオリア2 神話と文学』(河出書房新社)
・シュタウディグル他『シュッツと宗教現象学』(星川啓慈訳、明石書店)
・松田聡『モーツァルトのオペラ』(音楽之友社)

「二〇二〇年の収穫」2020年12月11日号
・ヒューム『自然宗教をめぐる対話』(犬塚元訳、岩波文庫)
・石井宏『モーツァルトは「アマデウス」ではない』(集英社新書)
・『福永武彦電子全集』全20巻(小学館)

「二〇一九年の収穫」2019年12月13日号
・レスリー・アドキンズ/ロイ・A・アドキンズ『ローマ宗教文化事典』(前田耕作監修、原書房)
・柳田芳伸、姫野順一編『知的源泉としてのマルサス人口論』(昭和堂)
・アーノルト・シェーンベルク『シェーンベルク音楽論選』(上田昭訳、ちくま学芸文庫)

「二〇一八年の収穫」2018年12月14日号
・三田一郎『科学者はなぜ神を信じるのか』(講談社)
・堀辰雄『大和路』(本郷書森)
・ベーラ・バルトーク著、『バルトーク音楽論選』(伊東信宏・太田峰夫訳、ちくま学芸文庫)

「二〇一七年の収穫」2017年12月15日号
・アンドルー・ラング『夢と幽霊の書』(ないとうふみこ訳、作品社)
・フェルディナン・ド・ソシュール『伝説・神話研究』(金澤忠信訳、月曜社)
・太田峰夫『バルトーク 音楽のプリミティヴィズム』(慶應義塾大学出版会)

「二〇一六年の収穫」2016年12月16日号
・カルロ・ギンズブルグ『ミクロストリアと世界史』(上村忠男訳、みすず書房)
・中野智世・前田更子・渡邊千秋・尾崎修治編著『近代ヨーロッパとキリスト教 カトリシズムの社会史』(勁草書房)
・瀬川昌久『瀬川昌久自選著作集1954-2014 チャーリー・パーカーとビッグ・バンドと私』(河出書房新社)

「二〇一五年の収穫」2015年12月11日号
・『nyx(ニュクス)』創刊号(堀之内出版)
・テレザ・クリアーヌ=ペトレスク+ダン・ペトレスク編『エリアーデ=クリアーヌ往復書簡 1972-1986』(佐々木啓・奥山史亮訳、慶應義塾大学出版会)
・エンリーコ・ミネッティ『スカラ座の思い出─コンサートマスターから見たマエストロの肖像』(石橋典子訳、スタイルノート)

「二〇一四年の収穫」2014年12月12日号
・ティム・インゴルド『ラインズ 線の文化史』(管啓次郎訳、左右社)
・クロード・レヴィ=ストロース『月の裏側 日本文化への視角』(川田順造編訳、中央公論新社)
・ユルゲン・ハーバーマス『自然主義と宗教の間』(庄司信ほか訳、法政大学出版局)

「二〇一三年の収穫」2013年12月6日号
・ジャン=ジャック・ナティエ『レヴィ=ストロースと音楽』(添田里子訳、アルテスパブリッシング)
・フランツ・ボアズ『北米インディアンの神話文化』(前野佳彦編監訳、中央公論新社)
・『井筒俊彦全集 第一巻』(慶應義塾大学出版会)

編集部からは「その年に刊行されたもの」ということ以外、いかなる条件も求められていないのですが、何年も続けているうちに自分なりの「基準」ができてきました。こんな具合です。


1.宗教学的知見から評価できるもの
2.僅かでも自分が関わったものは選外とする(「宗教学名著選」や「シリーズ宗教学再考」から一冊も選んでいないのは、そのためです。)

3.音楽関係のものを一冊は選ぶ(宗教学とクラシック音楽って、響き合う部分がたくさんあるんですよ。)

それにしても、こうして並べてみると、なかなかの偏りですね。大好きな書き手である堀辰雄、福永武彦、高橋英夫の名前も見られます。ここに宮川淳を加えれば、僕の本棚の一区画そのままです。

上記のリストが何らかの参考になれば幸いです。


今月末に、「シリーズ宗教学再考」の新刊が刊行されます。

エリック・J・シャープ 著
『比較宗教学 ひとつの歴史/物語』
久保田浩/江川純一/シュルーター智子 監修
シュルーター智子/藁科智恵/渡邉頼陽/小藤朋保 訳
国書刊行会

 

 

宗教の比較という営みをめぐる歴史叙述であり、単なる学説や思想運動の紹介ではなく、その文脈までもが分析の対象となっています。

読み物としても面白いと思いますので、お手に取っていただけると嬉しいです。