しばらく更新しないあいだに、師走を迎えてしまいました。
いかがお過ごしでしょうか。

さて、書評紙『週刊読書人』 の年末企画「2021年の収穫」で、今年も三冊を挙げました。

 

 

10日金曜発売で、オンラインでも購入可能ですので、手に取って頂けると嬉しいです。

こうした企画では自分が少しでも関わったものは推薦しない方針でいるため選びませんでしたが、「今年の収穫」として追加したいのは、やはりこれです。


ウィルフレッド・キャントウェル・スミス
『宗教の意味と終極』(シリーズ 宗教学再考)
保呂篤彦・山田庄太郎訳、国書刊行会、2021年

この本を読むことで、「宗教」という言葉=概念に少しでも敏感になって頂ければ幸いです。

現在、「シリーズ 宗教学再考」の続刊(年度内刊行予定)に懸命に取り組んでおります。
長らくブログを更新できなかったのもこの作業のためです。

刊行までもう少しだけお待ちくださいね。


追記

音楽における私的「今年の収穫」は以下の二点です。

●モンテヴェルディ『オルフェオ』BIS

指揮:フレードリク・マルムベリ
弦楽:ホール・バロック
金管:アンサンブル・アルタプンタ
声楽:アンサンブル・ルンダバロック

スウェーデンの音楽家たちによるセッション録音!

SACD層は極上の音質で、再生すると一瞬で新鮮な空気に包まれます。


一番好きなイタリアの作曲家は、若い頃からずっとモンテヴェルディです。
単純な素材の組み合わせのなかに「無限」が存在するように感じるのです。

三作のオペラ『オルフェオ』、『ウリッセの帰還』、『ポッペーアの戴冠』は何回聴いても飽きません。

嘘だと思う人は、フィリップ・ジャルスキー(カウンターテノール)とヌリア・リアル(ソプラノ)によるこの歌唱を聴いてみてください(『ポッペーアの戴冠』より)。

 

ヴァーグナー『トリスタンとイゾルデ』第二幕の「愛の二重唱」に匹敵すると思っています。

こんなに美しい二重唱が、J・S・バッハの生まれる40年以上も前に書かれていたのです…


●脇田もなり「ONDO」
作詞:脇田もなり、Dorian
作曲:Dorian

山下達郎と松任谷由実を聴いて10代前半を過ごした僕にとって、
Dorianが作り出す音楽は堪りません(クニモンド瀧口とKashifも!)。
現代日本のシティ・ポップ、アーバン・ポップの最良の部分だと感じています。

この曲は7インチ・ヴァイナルの「B面」で、DL販売やサブスクにはまだ含まれていません。
いずれ発売されるであろうニュー・アルバムに収録されることを期待しましょう。