『じぶんでひらく絵本』(1956年初版)
H・A・レイ作/石竹光江 訳 ミセスこどもの本/文化出版局(1970年)
先日ブログに書いたように、怒濤の読書熱をおびていて、何をblogに書いたらいいか、見れば見るほど、読めば読むほど迷走しています。
なので、きょうはブレイク・タイム。
おさるのジョージの作者のH・A・レイ作『じぶんでひらく絵本』を。
シンプルなシンプルな"なぞかけ"に、次の折れページを開くと、お答えの絵がある…愛らしい愛らしい絵本です。
ドイツ生まれのH・A・レイさんは、幼いときから、サーカスで名高い動物園のそばで暮らしていました。
※おさるのジョージのシリーズは、1941年に『ひとまねこざるときいろいぼうし』が最初。シリーズは世界中で大ベストセラー。
ドイツ~ブラジル~パリ~ニューヨークと渡り、生涯を通して、動物が好きで好きでたまらなかったレイさん。
その観察力と洞察力で動物の姿態をユーモラスで躍動的に描いています。
そして、なんといってもレイさんの動物への慈しみに満ちた気持ちがあふれるように描く、動物の表情の豊かさが魅力です。
*4冊のペーパーバックが箱に入っています。紙質も初版から現在まで、ざらっとしたマットな紙でめくり心地がよく、インクが沈みこんだ絵はあたたかみがあります。
『だれ の うちかな』
"この あなのなかを、のぞいてごらん。"
左に文章が書いてあり、開くと~
なぞなぞ風な文章に、"なにかな、なにかな"っとドキドキしながら子どもたちは開きます。
そのときの嬉しそうな顔ったらありません。 ((o(^∇^)o))
『おかあさんと こども』
動物の親子の細やかな情愛を強く感じる、微笑ましくも可愛い1冊です。
『さぁ たべようね』
動物たちがお昼ご飯を食べるところで、折ってあるところを開くと~
なんたって、動物が食べているところを見るのが動物園の醍醐味。愛くるしい動物がいっぱい描かれています。
『サーカスをみよう』
新しい町に着いたとき、最初にすることは動物園を訪れることだったレイさん。
サーカスで名高い動物園のそばで暮らしたレイさん。
サーカス団の人々に愛されていることが伝わるような、動物たちのイキイキとした表情が印象的です。
最後のページは、道化師がビロードの幕を引っ張り、フィナーレのシーン。
動物讃歌のようなレイさんの絵に、こどもも大人も癒される絵本です。
動物園に一人で行きたくなってしまいます。じっと、好きなだけ見ていたい…。