新津章夫のお気に入りミュージシャンについて語ろうと思います。Blogのプロフィールに、「ジミ・ヘンドリックス、ジェフ・ベック、マイケル・ブルームフィールド、ジョー・パスなどに影響を受け」と書きましたが、それ以外にも愛聴していたレコードやミュージシャンはたくさんいました。
その一人が、オランダのロックバンド、フォーカスのギタリスト、ヤン・アッカーマンです。新津章夫自身は、ドイツ人だと思っていたようで、ドイツ好きの彼としては、より一層の愛着があったようです。1970年代半ば、来日した際には、中野サンプラザに一緒に見に行った思い出があります。
とくに好きだったアルバムは、「ハンバーガー・コンチェルト」。これは僕が買ってきたレコードですが、ほとんど彼の手元にありました。1曲目、「リュートとリコーダーの為の小品(音楽の歓び)」は、文字通り、ヤン・アッカーマンが奏でるリュートとタイス・ヴァン・レアーのリコーダーによる曲ですが、当時のロックを取り巻く状況においては、とても異質でした。たしかに、ELPの「展覧会の絵」をはじめ、とくにプログレの人たちがクラシックにアプローチする傾向は大きな流れではありましたが、この曲は、まんま古楽です。
しかし、これを聴いたことが、四半世紀後に「サイエンス・クラシックス」の制作を喚起させたことは事実でしょう。
ヤン・アッカーマンの、バックボーンにバロック音楽を感じさせるメロディーも、新津章夫がやりたかった音楽に自信を持たせてくれたと思います。
