「サイエンス・クラシックス」のライナーノーツを読んでいただいている方はご存知かと思いますが、「サイエンス・クラシックス」は四半世紀にまたがる2つの企画からできています。ひとつは、デビュー作「I・O」から「ウィンターワンダーランド」に至る期間に録音されたもの。もうひとつは、新津章夫が亡くなる1年前に製作された「プチクラ」というプロジェクトからの抜粋です。ライナーノーツには書きませんでしたが、ここに新津章夫から届いた1通のEmailを紹介します。
・ 2001年3月25日 受信
≪企画「プチクラ21」は4月スタート予定≫
クラシック曲を100曲程度サンプリング音源で制作してきました。小品だけでなく、運命やボレロもあり、省略抽出加工型編曲を施してあります。全文提示型の’樽酒’ではなく’柑橘系エッセンス’に近付けてきました。この中から、ショパン、フォーレ、サティー、ラベルなどのフランス音楽を中心に売込み用の選曲をしました。
《中略》
クラシック小品集21曲の仕様は次のようになります。
ⅰ.演奏時間は1分40秒から2分30秒の間に収まります。
ⅱ.編曲では、原曲に音数を増やすことなく新音を付加しない。
ⅲ.通常の楽器音を使わない。
こうすることで、曲イメージに集中でき、情感リピートさせやすくデータとして扱いやすくなります。
《中略》
≪企画「プチクラ21」は放送の為のCD販売化≫
これは放送での消費を前提とします。放送では記号化、楽曲ラベリングが進んでいます。10年前からこの場面にはこの系統の楽曲という紋切り型消費指向からIndex化が進行しています。サティーはその典型でしょう。今だに放送回数は多いようです。
《中略》
1985年の音楽からソフト屋に移行するにあたって、映画の仕事だけはやり残しになりました。ビデオ(曼荼羅のCG)は最後の秀作であると思うのは、やっつけ感ですんなりはまっている作業スタイルが新鮮でした。「ほぼ日」の糸井氏が横尾忠則と祖父江慎の仕事感でふれていた。’いいかげんにやって いい感じにしあがると、いい感じがするんですよ。’今回の「プチクラ21」もこれに近い感触です。
以上。