私はペットである。

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ある恋愛小説家の出来事

僕はもうすぐ、純粋な恋愛小説を書くだろう。


それは、恋をしてしまったからだ。


相手は、色白で、喋る時に可愛らしく眼をくるくる動かす女の子だ。僕と彼女は見た目、結構年が離れているように見えるが、実際は話も合うし気も合うし、上手くやっていっているつもりだ。


朝、僕は会社へ、彼女は学校へと家を出る。暫しの別れだ。そして、夜は僕達の部屋でずっと一緒に過ごす。

彼女を見ていると、大きなものを無理矢理丸呑みしたような感覚になる。体全身のモヤモヤを一瞬にして凝縮した感じだ。この感覚は誰にも、分からないだろうけど。まあ、分からなくてもいい。

でも、この感覚が訪れると、もう我慢というものができずに、つい彼女を抱いてしまっている。

彼女も小学生の割りには、自ら腰を振ったりして、色っぽいし、かわいらしい。


いつもはこれで終わりのはずなのに、その日、彼女は感じすぎたのか、セックス中に気絶してしまった。

僕はそういう彼女を愛おしくて愛おしくて、めちゃくちゃにしたいくらい大好きだ、もう食べちゃいたいくらいだと感じてしまったために、本当に彼女を食べてしまった。これこそ、実際に大きなものを無理矢理丸呑みした感覚だと思った。それは今まで、味わったことのない快感の絶頂だった。


しかし、彼女がいなくなってしまった今、僕はもう恋愛小説が書けなくなってしまった。


生きる

【問 あなたの妻(若しくは夫)は重い奇病にかかってしまい、瀕死の状態である。しかし、助かる可能性は無きにしも非ず。町で唯一の薬屋がこの奇病に効く薬を開発したようだ。売値は1億。あなたは、親類や消費者金融などから金を借りたけれど、どうしても1億には届かない。薬屋に交渉しても、値段は変えてもらえない。こうなったら方法は一つ。あなたは薬を盗むか、盗まないか?】



永井さん(仮名)の答え

俺は、薬を盗まない。 その薬が効くのかどうか保証は無い。

しかも、妻がその盗んできた薬を自ら喜んで飲むだろうか。俺だったら配偶者に犯罪を犯してもらってまで、生きようとは思わない。

万が一、盗んだ事がばれて、捕まったりでもしたら、病気の妻はどうなるだろうか。俺が刑に服している間、そのまま、一人で死ぬことになるだろう。

それよりは、死を受け入れ、二人で残された時間をゆっくりと過ごしていったほうが良いのではないか。大体、「妻の為に薬を盗んでくる」という行為は、自己満足に過ぎない。妻が本当にそれを望んでいるのかも分からないのに。

それは只、愛の押し付けに過ぎない。

馬鹿らしい。


椎名さん(仮名)の答え

私は、薬を盗みます。

だって、好きな人が死んでいくのを見す見す放って置くなんて、人道的じゃないわ。

私は罪に問われようとどうでも良いの! 

やっぱり好きな人には少しでも長く生きて欲しい。私はどうなっても良いのよ! 好きな人の為に生きたいから。愛ってそういうものでしょ。好きな人が生きているから、私にも生きる価値があるのよ。



この問いに答えてもらった永井さん(仮名)と椎名さん(仮名)は、その後、何かの縁で結婚するに至った。

しかし、その数年後、永井さん(仮名)の斬殺死体が見つかる。その犯人は椎名さん(その時は永井夫人)だったのだが、その原因が、「夫が腹上死したいなんて言い出すから…」というものであった。


人形の夢と目覚め

僕は小さな頃から、姉のお人形でした。


姉は僕にワンピースやフリルのついたお洋服を着せたり、母の化粧道具をこっそりと持ち出しては僕に化粧をしたりしたものです。でも、小さな僕は他にお友達がいなかったし、姉と遊ぶのは楽しかったので、女の子の格好をするのには、抵抗はありませんでした。


それから、僕は中学生になったけど、相変わらず姉のお人形でした。僕は皆みたいに言葉を話すことが出来なかったので、友達はいませんでした。学校は皆、意地悪な人ばかりで、友達なんて作ろうとも思いませんでしたが。


姉だけが僕の唯一の理解者です。制服も着せてくれるし、ケーキも作ってくれます。夜は一緒のベッドに、二人並んで手を繋いで寝ます。


でも、僕はお人形だから、大事にされるばかりではいけません。時々、姉のいうことをきかなければならないのです。Give&Takeというやつでしょうか。


今日は初めて、難しいことに挑戦しました。

でも、姉に言われたとおりにちゃんとやったのに、姉は「う、ああっ……」と言って、死んだように動かなくなってしまいました。布団には血が付いているし、僕には白いものが付いてベタベタします。


どうしよう、と僕はうろたえてしまいました。

人形の僕が、人間の姉を殺してしまった…! 


三分程、悩み続けていた時でしょうか、急に姉が抱きついてきました。よかった! 生きてた。僕はほっとしました。姉は、「もう一回、同じ事しよう」と恥ずかしそうに笑って言いました。「気持ち良かったよ…」


僕は、びっくりしました。姉が悲鳴をあげて、血を出して、動かなくなってしまったのに、同じ事をもう一回求めるなんて!でも、僕は所詮、人形です。人間のことは分かりません。姉がこのことを求める限り、僕は応じます。


きっと、これからも姉が死んだのではないかとびくびくしながら、同じことを繰り返すのでしょう。

海の匂いは何処から

突然、彼がキスしてきた。


彼のキスはいつも熱を帯びている所以か、少女のように切なげな感じがする。そして、私はいつもそれに従い、ゆっくりと目を閉じて身を任せる。

こうしていると、海の中で漂っているような気がする。


そのうち、彼の舌が絡み付いてきて、その動きは途絶えることを知らない。私の全感覚でその動きをのんびり感じている時、海の底深くにいるナマコが頭に浮かんでくるんだ。

別に嫌いじゃない…。そうは思うけど。


そのままセックスに移行して、お互い必死で体を求め合う。やっぱりセックスって水中を泳ぐ感覚に似ていると思う。そして、深いところまで堕ちていく…。

どこまでも、どこまでも。


私が彼の上に乗り、二人で絶頂を迎えようとした時だった。私は自分でも知らぬ間に彼の首に手をかけていた。

そして、ただきつくきつく締め付ける。全体重を懸けて全愛情を込めて。

私は、もがくように水面まで辿り着きたかった。


こうやって繋がりを切ることしか、私にはできないんだよ。


あなたに報いを、パパ。

オブラートが溶ける間に

「舐めて。これを優しく溶かすようにね…」


女はそう言って、自分の乳首にオブラートを乗せ始めた。性交中とはいえ、こんなことを女に言われるのは初めてだった俺は、正直戸惑った。しかし、女はそんなことはお構い無しに、ふふと笑っているので、俺は言われたとおりにやってみた。


舌をゆっくりと動かすたびに、オブラートはのんびりと乳首に沿って溶けていく。一方、乳首はそれに反比例してくっきりと丸みを帯びていく。


甘い、と思った。実際に味が甘いのか、溶けていく感じが甘いと錯覚させるのか分からなかった。舌の動きと共に時々、女の腰が波打って、それが堪らなく綺麗な曲線だと思う。女ってものは、柔らかくて温かい。だから、俺は女を求める。こうやって舐めるだけでなく、この女全てを飲み込んでしまいたい。


そろそろ、俺は痺れを感じ、我慢が出来なくなってきた。入れたい。そっと、女の茂みに手を触れて濡れているかどうか確認するが、思ったよりは濡れていなかった。俺は構わず挿入しようと腰を動かす。「ん…」と切なげな声を出しやがるから、俺は腰を思いっきり突き出した。すると、「あ…」と声を漏らすので、何だ感じているのだろうかと女の顔を覗き込む。



女の顔を見ると、妹だった。


俺は驚いた途端、妹の中に全てをぶちまけてしまった。