私はペットである。 -2ページ目

最終ラスティング

ペット生活ももう終わり。

いつものモノクロ

ペットの仕事は、部屋を清潔に保つこと、料理、そして性交。

昼は部屋を掃除する。

夕方は料理を作って、彼が帰ってくるまでの間、大人しく待っている。

夜はアロマのお風呂に入り、彼に抱かれるのを待つ。

私はいつも待つばかり。

いつになったら、動けるのだろう。

蹲ればコネクション

2つ並べたグラスが寂しげに見える。



私はいつからか感情を表に出すのが怖いと思うようになり、そうやってびくびくしているうちに、自分が何を感じているのか分からなくなってきた。


今までだって、人が傷付くのを見たくなくて、深くかかわるのを避けてきた。


ペットになりさえすれば、もっと無機質な生活を送って、愛されるまま、体さえあずけてしまえば感情が楽になると思っていた。



私は喉を潤したくて、手を延ばす。


だけども、目の前のグラスをうまく掴みきれず、グラスは床で柔らかな音を立てた後、あっさりと砕けてしまった。



目の前の存在は案外脆い。

心底スペクタクル

深く暗い青の中から、ゆっくりと目を開いてみれば、そこにあるのは快楽だった。



彼の少しごつごつした指で静かになぞられると、ぬるりと私の中から温かいものが染み出てくる。


一度溢れ出てしまうと、もう留まることを知らない。


私から自然と声が洩れ、それと同時に彼の指の動きが速くなる。


体の中心から、がくがくと震えがし、私は必死で溺れまいと毛布にしがみついた。


すぐに私は最初のエクスタシーを迎え、彼に許しを乞うのだが、指の動きは勢いを増すばかりだ。

そこにあるのは快楽ばかりで、自意識は欠片ほどに砕かれ、ただ、体ばかりが壊れてしまうような反応を繰り返すのだった。

私の息遣いとぴちゃぴちゃと水辺で遊ぶような音が部屋に響き、早く彼を飲み込みたいと思ったけども、体の痙攣が止まらない。



そうして、私は再び暗い闇の中に落ちていく。

人力プレビュー

朝、彼がスーツを着ると、私との間にある一定の距離ができる。


以前、会社で一緒に働いていた頃と同じ空気だ。

しかし、今や私は仕事を辞め、橋本のマンションで呑気なペット暮らしを送っている。


不思議なものだ。

この微妙な生活もいつまで続くか分からない。


楽に生きてしまえば簡単だけども、このまま続けていいのだろうかと不安もなくはない。