学校にKKを迎えに行くと、KK、友達と一緒に歩いてきました
『ママ、僕の友達だよお家まで送ってあげたいんだけどいいかな』
『勿論だよ』
『Come on in』
KKが彼にそう声をかけると、その友達はにっこり笑って車に乗り込みました
背の高さには反比例のか弱い声・・・
『Thank you』
『Of course』
そして彼をお家に降ろした後、KKが言いました
『ママ、この子ね・・・すんごくいい子なんだけど、普段誰とも話をしないんだ』
『んどういうこと』
きょとんとする私にKKが続けます
『この前僕が、彼一人で座ってたから肩を叩いて声をかけたんだ、『おはよう』ってさ最初は頭を軽く僕に下げた感じがしてるだけだったけど、この前『おはよう』っていったら、小さい声で『おはよう』っていってくれたんだでさ、僕は嬉しくなってまた声かけようと思っていたんだよそしたら昨日学校が終わって算数の補講クラスに行こうとしたら、彼が僕に聞いてきたの『補講どのクラスに行くの』ってさだから、『僕は算数に行くよ』って言ったら、彼も『じゃ、僕も算数に行くよ』そういって、算数に来てくれて僕が行き詰ってたところを教えてくれたんだよ本当に優しくていい人なんだよね他の子には殆ど何も話さないのに、僕には話したり助けに来たりしてくるんだよ』
『いい人なのに何で誰とも話さないのか、僕気になってたから、どうしてか聞いてみたいな』
車中から窓の外を見ながらKKの脳裏には彼の姿が浮かんでいたのでしょう・・・
そして翌日、KK、彼の心を開いたのです
『ママ、彼の気持ちが分かったかも』
話を聞いてみると、彼が小学生だった頃、実はクラスでいじめがあったのだそう
『お前はこっちのチームじゃなくて、あっちのチームに入れよ』
『お前何でここに来たんだ』
次々と発せられる友達の言葉に彼は深く傷をつき、その時からだんだん人と関わることを避け、自分の殻に入り始めたのだと言います最低限のことしか言わない、頷くだけ頷いておく
その話を親身になって聞いていたKK、彼にこう言ったのだそう
『君本当にいい人だし、誰とも絶対に仲良くなれると思うよ』
その言葉に励まされ、彼はKKにこう言ったのだそう一日3人、見ず知らずの人に自分から『Hi』と挨拶することを目標にすることを
『そうだね、やってみるよ後さ、放課後クラブKKは何か入ってるの』
『入ってるよ俺はサッカーやってるけど、友達作りには、クラブに入るのがいいかもね』
『僕はサッカーやったことないからできないけど、他のクラブ考えてみようかな』
他の人とは話さない彼、KKにその扉のカギを渡しました
その話を聞いて思わずジーンときてしまう私
KKも乗り越えてきた大変な時代、そんなKKだからこそ、発せられる彼自身の言動が温度をもって相手の友達に伝わっていけたのかもしれないと
そして改めて思いました笑っている友達も、じっと座っている友達も、見えないけれど誰にも抱えている悩みがありますそれに気が付き、すぐに手を差し伸べられる自分でありたいともしかしたら小さな自分も何かしら誰かの役に立てるかもしれない・・・そろそろ日付が変わります素敵な夢を