東北はそこまで「梅雨感」が無いとはいえ、それでもずーっとハッキリしないお天気だったので、久しぶりにすっきり晴れた先日、嬉々として洗濯物をベランダに出しました。タオルもいっぱい、子供達の服もいっぱい。息子が休みだったので干すのを手伝ってもらい、「お日様気持ちいいね〜」とベランダでしばらく過ごしました。
干したのは昼過ぎくらいだったでしょうか。
3時間後くらいに「今日はあっという間に乾くだろう♡」と様子を見に行った時!
洗濯物とベランダの床に
一面の黒い粒。
羽アリでした。
ギャース!!
さっきまで一匹も居なかったのに、千は超えるであろう羽アリ達!!
(写真はイメージです。ネットからお借りしました。マジでこれくらい!!)
まただ…!!
実は昨年、引っ越して初めての夏。
同じくらいの時期に。
ベランダ一面を埋め尽くす羽アリに仰天したのでした。
まず社長が足でブチブチ踏み潰し始めたのですが(小股でぷちぷち歩く様子が面白かった。笑)全く減る気配がなく、アリ用殺虫剤を撒くも、巣がある訳でも無いので一匹一匹にかけるのも気が遠くなる作業。
埒が明かず、社長が掃除機で吸い。
「掃除機で吸うと風圧でバラバラになるし処分しやすい」と、言っていたのに、全くバラバラにならずクリアビンの中でモゾモゾ蠢く大量のアリ。
ちょっと!!話違うじゃん!!と思わず怒りも湧き。
新築なのに、建物の中に羽アリが巣を作ったの?
なんでうちにだけ?なんでこんなに大量?
呪われてるの?なんか悪い要素でもある?
やだ!怖い!!
気持ち悪い!!
考えたくもない!
業者に見てもらったりしたのですが、家にはなんの原因もなく、シロアリと違って建物に巣を作るタイプでもないらしい。
打つ手もなく、泣きたくなるような気持ちでしたが、数は多いけどそのうち全員死んでいくんです。ベランダの床が熱いのか、夏の太陽に焦げ死んでいる様子。
(ベランダ用のサンダルをどかしたら、「サンダルの形そのまんま」に、日差しから避難したアリがぎっしり黒いシルエットになっていたときは死ぬかと思いました。)
そんなこんなで、頭の中がアリの恐怖と不安でいっぱいでしたが、五日ほど格闘が続いた後、パッタリと姿を見せなくなったのです。で、それから一年、すっかり忘れていました。
それが、また!!
また不安と恐怖が襲ってきましたが昨年のことを踏まえ、共通点は「同じ時期」だと分かった。
なので、調べ方を変えてみた。
羽アリ
大量発生
梅雨
晴れた日
暑い日
そしたら、分かったのです。これは、「夏の風物詩」だと。
どうやら黒アリは、雨が過ぎた後というタイミングを本能的に察知し、一斉羽化の時期にしているらしい。巣が離れていてもです。繁殖時期を同じにして、生存確率を高くするために。雨が長引いた後の晴れ間、に「今だ!!」と一斉に飛ぶんだそう。
それは「結婚飛行」と呼ばれていて、一匹の女王アリに対し無数の雄アリが羽を生やし飛ぶ。飛行中に女王アリはたくさんの異種の雄アリと交尾して、お腹の中にたくさんの精子を保存する。女王は雄から逃げるように飛び、もっとも早い雄アリと交尾するそうだ。
この飛行の群れの為、クリケットの試合が中断されたこともあるらしい。
うちのベランダで力尽きるアリ達は、一部の無念の雄アリ達だったのか・・・!!
「羽アリがいっぱい飛んだら梅雨明けが近い」という合図ともいえるらしい。
確かに、去年も今年も、もうすぐ梅雨明け、という時。
夏の風物詩?
スイカ。
風鈴。
プール。
浮き輪。
かき氷。
羽アリ。
「いいじゃないか。」
結婚飛行?
「ロマンチックじゃないか。」
大量のアリに対して、あっさり心が変わったのです。なんならアリを労う感情まで湧いてきました。
さらにいうと、「結婚飛行」という言葉は、実は昨年も今年も息子が口にしていた。「ママちゃん、これは多分結婚飛行だと思うよ」と確かに言っていたが全く耳に入ってこなかった。それは「どうしようどうしよう」という不安と恐れが頭を支配していたからで、「アリの大量発生、怖い」と思い込んでいたからだった。
なんていうか、知らないもの、分からないもの、って恐怖や不安を増長させるなぁって思ったし、人の声も聞こえなくなるし、繰り返すパターンをちゃんと見るとあっさり問い方も変わるなぁ、とつくづく思いました。
不安や恐怖しかなかった去年は、「家」「羽アリ」「駆除」とか、問い方も違ったもの・・・まっすぐに現象に対し「なぜ大量発生するのか?」と問えなかった。笑
まっすぐに問えたら、ちゃんとまっすぐな答えが来る。そしてそれはほとんどの場合、怖くない。自分が見ているものが幻なのだ。
それに、「夏の風物詩」と思ったら急に風情ある愛しい自然の営みに思えてきて。
うちに集まってくるのも、公園の真横だからだし、外壁が白だからこの辺で一番明るいし。
どうせ何を思っても自由なら、「夏の風物詩」として、おおらかで居たい。
アリはどうせ五日で消える。
受け入れよう。
今年はみんな死んでから、掃除機で吸おう。
闇は見ないから闇のまま、なんですね。
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