休日の朝、起きたら雪だった。
でね、3年目くらいかな?
島村が駒子に「いい女だね」っていうシーンがあるんです。
駒子は最初、照れたように笑ってるんだけど、ふいに我にかえって、
「それ、どういう意味よ!!」って激昂するんです。
「あんた、やっぱり私を馬鹿にしてたのね!」って。
そして激しく泣くの。
島村は、その駒子の「思い違い」に、また胸を打たれる。
という流れなのだけど・・・
ここが、当時から謎だった。
何をどう勘違いして、駒子は怒ったの?
最初「いい子だね、いい女だね」って言われて照れてたのに、
「都合のいい女」って言われたと思ったのかな?
でもなんか違うような・・・
18、9の私は、イマイチよく分からないまま、読み終わった。
今回、絶対にそうじゃない!!って感じた。
で、今は「ネット」があるので、色々調べて見た。
そしたらやっぱり
「都合のいい女」と言われたと勘違いした、とか
「アソコの具合がいい女」と言われたと勘違いした、とか(笑)
そんな解釈ばかり出てくる。
出てくるもの、全部そう。
え〜〜本当にそうなのかな・・・
こんなに美しい作品で、そんなくっだらない事なのかな・・・
って、加賀ではずーっと考えていたのです。
でも、最初にも言ったけど
解釈は、「自分が思ったままでいいか」ということに落ち着いた。
超名作でも、
私が感じたままで、いいや。
魯山人が書いた「鳥」
駒子は「都合のいい女」と言われたと思ったんじゃないと思う。
だってそんなの、今までずっと「都合のいい女」をやってきた。
駒子は自分で進んで自虐的にやってきた。
せっかく「都合のいい女」で居たのに、
せっかくずっと抑えていたものを、「いい女だね」という、島村の愛が見えるような言葉で、破かれたから怒ったんじゃないかな?
「島村が、自分のことを大事に思っている」
それを島村から感じてしまったから、怒ったんじゃないのかなぁ。
だって、それまで何年も「もう帰りなさい」なんて颯爽とした女のフリをしてたのに
そんなこと言われたら、「帰らないで」って言いたくなるじゃない。
「軽々しくそんなこと言うなよ!!」
って言う意味の「怒り」じゃないのかなぁ。
そして、そんな駒子に対し、また「島村は胸を打たれた」ってことじゃないのかなぁ。
最後の方にね、
「ねえあんた、私をいい女だって言ったわね。行っちゃう人が、なぜそんなこと言って、教えとくの?」
「泣いたわ。うちへ帰ってからも泣いたわ。あんたと離れるのこわいわ。だけどもう早く行っちゃいなさい。言われて泣いたこと、私忘れないから。」
って言うセリフがあるんです。
ここに、駒子の気持ちが詰まっていると思う。
物語の解釈の「正解」はわからないけれど
私が感じた駒子の気持ちを、他の全ての人と違うからと言って
「これは間違いだ」としなくてもいいか、と思った。
昔はいつもこうやって、
「私が感じたことは間違いなのかな」って思ってきた。
他の人はどう感じたんだろう?
本当のところはどう解釈するのが(どう感じるのが)正しいんだろう?
そう思って、自分が感じたことを「間違いだ」と、自分でジャッジしたこともある。
でも、たとえ書いた人との意図が違ったとしても、
それでいいや。
また、改めてそう決めた♡
37歳の今、「駒子」の気持ちがこんなにも分かることが、嬉しい。
ちなみにやっぱりどうしても他の人の意見が聞きたくて
KADOKAWA担当清水さんに「雪国のいい女、清水さんの解釈、聞きたいです」って聞いたのですが
「温泉入りて〜!!日本酒飲みて〜〜!!」しか返信がありませんでした。
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