Part2 日本のアコースティック・ギター:僕の、日本の三大アコースティック ギタリスト | 懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

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懐かしい’60s’70s’80s
ひときわ輝いていたあの時代の思い出のエッセイ集です。
毎週土曜日更新予定です。

今日は。
 昨日2月17日朝から、「オールナイトニッポン55周年記念」として オールナイトニッポン55時間を実施しています。
「カメ&アンコ―」タモリさんまそして山下達郎など多くの人が出演しているといいます。
僕は、残念ながら深夜放送は聴きませんでしたが、というより夜遅くが苦手で聴けなかったのが本音です。
ですが、僕の兄弟は割と好きだったようですし、僕は音楽番組のラジオを良く聴いていたので、ラジオという意味で今回の取組に関心があります。
どんな話がされるのでしょうか?
休みの日に、radikoでまとめて聴いてみたいと思います。

<Part2 日本のアコースティック・ギター :僕の、日本の三大アコースティック ギタリスト>
 
 Part1で「僕の、日本の三大アコースティック ギタリスト」(リンク)で、石川鷹彦吉川忠英安田裕美の三人を挙げました。
三人の説明に入る前に、もう少し「日本のアコースティック・ギター」に焦点を当てたいと思います。

●日本のアコースティック・ギター
●日本のアコースティック・ギター奏者のオリジン
 ところで、現代に続く、日本のアコースティック・ギター(アコギ)奏者のオリジンは一体だれなのでしょうか?

「PPMフォロワーズ」(1963年結成)の小室等でしょうか?


 

 小室が「ピーター・ポール アンド マリー」(PPM)(リンク)の来日時に、コンサートでピーターやポールの「スリーフィンガー」の指の動きを研究したと言っているのをきいたことがあります。

 〇まるでPPMフォロワーズのように★くよくよするなよ(manjyuji)
  この映像は吉田拓郎になっていますが、音源は小室の声です。

 

 

 

  https://youtu.be/NXOlv43Un_A

 〇冬の日{ア・ソーリン}PPMフォロワーズ

 

 


  https://youtu.be/c1QkvsfgytQ
  PPMの日本語訳して歌っていますね。

『悲しくてやりきれない』「ザ・フォーク・クルセダーズ」(フォークル)(1965年結成)の加藤和彦でしょうか? 
加藤和彦はフォークル解散後は、「サディスティック 三カバンド」を結成し、でどちらかというと、ロック界に進出していますが・・・。
  
 〇悲しくてやりきれない ザ・フォーク・クルセダーズ (1968)

 


  https://youtu.be/XelkLDGMpGw

石川鷹彦でしょうか?
多摩美術大学の先輩小室等とともに「六文銭」(1968年)を結成しています。

 〇夏・二人で 六文銭

 


  https://youtu.be/X_FiM2kk0bI

吉川忠英でしょうか
スタジオミュージシャンとしてのレコーディング現場への参加は、石川鷹彦の紹介が大きかったと言っています。

とすると、やはり小室等なのでしょうか?

そんなことを考えていたら、石川と小室がいっしょうに登場する番組がありました。


 〇幸之助の部屋③ / 石川鷹彦・小室等 ★☆ BSフォーク大全集5(1996年)

 


  16分頃に小室が登場し、演奏と語りがあります。

 この番組で、小室はデザイン会社に就職した石川を六文銭に誘ったと話をしています。


●アコギの演奏スタイル
 ここでアコギ(アコースティック・ギター)の演奏スタイルについて考えてみます。
大きくアコギの演奏スタイルは次の4つがあると思います。

 1.アルペジオ
 2.スリー・フィンガー
 3.ストローク
 4.リード


1.アルペジオ
1のアルペジオはクラッシックギターと基本でもあります。
(詳しくは、アルペジオには「アポヤンド奏法」と「アルアイレ奏法」があります。

2.スリー・フィンガー
 2のスリー・フィンガーがアコギの特徴ではないでしょうか?
親指・人差し指・中指の三本を使うのでスリー・フィンガーといいます。
(親指は英語ではフィンガーではなく、サムですが・・・)

 上手な人が弾くと、メロディーとリズムを2台のギターで弾いているように聞こえます。
そこでギタリストが二人で弾いていると間違えられることもあります。
僕自身、最初はそう思っていました。
実際、かつて、スリーフィンガーの雰囲気を出すために、その奏法を知らない編曲者は、ギターリストを二人用意したとの逸話が残っています。


もともとクラシックギターの奏法としては、「スリー・フィンガー」以外の奏法は普通でした。
その「スリー・フィンガー」はアコースティック・ギター、とりわけ「フォーク」には欠かせない奏法かと思います。
細かく言うと、米国のスリー・フィンガーと英国のスリー・フィンガーは異なります。
「スリー・フィンガー」の英国と米国の奏法を見てみます。

2-1米国

 米国の代表的奏者は「モダン・フォークの騎手」といわれた「ピーター・ポール アンド マリー」(PPM)の二人のギタリスト ピーター・ヤーローポール・スターキーです。
先ほど触れた小室等が、熱心に学んだグループです。
曲を聞いてみましょう

〇Don't thik twice

 



〇Puff The Magic Dragon -- Peter, Paul & Mary ~ Live 1965

 

 https://youtu.be/z15pxWUXvLY

 PPMのスリー・フィンガーは滑らかで、最初から最後まで、演奏パターンをキープしているの特徴です。


2-2 英国
 シンコペーションを使い、米国とは少しリズムの雰囲気が違います。
 代表はバート・ヤッシュジョン・レンボーンでしょう。

 バート・ヤッシュの代表曲はやはり「アンジー」

 〇Bert Jansch - Angie

 


  https://youtu.be/qOIt7fOgeFk

  こっちの曲方が、英国ポイかな
 〇Bert Jansch - Black Waterside

 


  https://youtu.be/f5Gcu0Sv6lk

 
 ジョン・レンボーンの曲です。
 〇John Renbourn - i know my babe

 


  https://youtu.be/DIOiSWd8p6Q

 ここから、ドノバンアル・スチワートに続きます。


2-3 米国と英国の中間
  僕は個人的には、日本のアコギは米国と英国の中間にあると考えています。
 それはポール・サイモンの影響が大きいからです。
 ポールは、ファーストアルバム「水曜日の朝午前三時」(1964年)(リンク)がヒットせず、失意のうちに英国に行きます。
 そこで、デビット・グラハムが作曲した「アンジー」をマーティン・カーシーから学びました。
  シングル「サウンド オブ サイレンス」の思わぬヒットで帰国し、急遽録音したのがアルバム「サウンズ オブ サイレンス」(1966年)(リンク)です。
 そこには、英国で書き溜めた曲を収め、「アンジー」も入っています。
 この曲が日本の「ギター少年」の心に火をつけけました。
 その顛末は上で紹介したブログ「サウンド オブ サイレンス」で書きました。
 
 アルバム「サウンズ オブ サイレンス」からスリーフィンガーの曲を聞いてみましょう。
 〇Kathy's Song

 

 


   https://youtu.be/ylCGvOUL938

 〇April come she will

   

 


  https://youtu.be/6NWjRmfnmIk

 ポールのギターは、スリーフィンガースタイルですが、PPMの二人のギタリスト ピーター・ヤーローとポール・スターキーとは少し異なります。
PPMのパターにはなない、独特のサウンドで構成されています。

 小室等のギタースタイルはPPMに近いですが、石川鷹彦、そして石川に続くギタリスト達はポール・サイモンよりだと思います。

いかがでしょうか?