大谷選手、今年はすごい活躍ですね。
今日は残念ながら黒星だったようですが7回途中まで投げられたのは収穫でしょう。
あとは二刀流の疲労をためないでケガなくフルシーズン過ごせるかどうかですね。
今年は日本人最多のホームラン記録を作ってほしいです。
さて、本日のテーマはアメリカの戦争ドラマ「コンバット!」です。
アメリカ陸軍歩兵連隊に所属する小隊の活躍を描いた物語で日米で大ヒットしました。
日本での放映は1962年からで5年間の長期シリーズです。
この歩兵連隊はヨーロッパ戦線に配属されていて主にフランスが戦場みたいですね。ドイツの占領下にあったフランスを解放する戦いです。
主人公は小隊長のヘンリー少尉(リック・ジェイソン)とその下の分隊長・サンダース軍曹(ヴィック・モロー)ですが、私的には「コンバット!」といえばサンダース軍曹のイメージが圧倒的に強いです。
もちろんヘンリー少尉も沈着冷静な上官としていい味を出していています。
クールなヘンリー少尉とワイルドなサンダース軍曹という対照的な二人です。
この作品は毎週観ていたはずなんですが、さすがに古くて記憶にほとんど残っていません。
はっきり覚えているのはサンダース軍曹の顔と断片的な戦闘シーンくらいです。
当時は大部屋に布団を敷いて家族みんなでゴロ寝しながらテレビ鑑賞していた時代でした。
コンバット(戦闘)のタイトルとは裏腹に戦闘シーンが少なくて子供には難解でほぼ毎回途中で眠りこけてしまい最後まで観たことはほとんどなかったのです。
さて、サンダース軍曹といえばトミーガン(M1928A1)がトレードマークです。
部下はM1ガーランドとかM1カービンとかセミオートのライフルです。
フルオートのトミーガンはカッコよくて憧れました。実際、トミーガンの人気はとても高かったのです。
私もお年玉を貯めていつの日かトミーガンを買おうと思っていたのですが近所のお店では売っていません。
それからずいぶん長い月日が過ぎてようやくドラムマガジンつきのトミーガンを手に入れました。
でもコイツはあのトミーガンとはずいぶんスタイルが違うしドラムマガジンも外せないのでガッカリしました。
これじゃサンダース軍曹じゃなくてアルカポネ風ですね。
「コンバット!」は最近では2005年にBSで放送されその後も海外ドラマ専門チャンネルで放映されたので初期エピソードを鑑賞することができました。
やはりたいへん面白かったです。
たしかに戦闘シーンは少なくて、ほぼ全編人間ドラマなので時には重たいテーマもあり子供には難しいだろうなと思いました。
観ていて気付いたのですがアメリカ版と日本版とは順番が違うのですね。
アメリカ版の第1話は「あるドイツ将校」でこれは日本版だと第3話です。
日本版の第1話は「ノルマンディーに上陸せよ」でこれはアメリカ版の第11話なのです。
どうして入れ替えたのか疑問だったのですが視聴したところすぐわかりました。
アメリカ版第1話「あるドイツ将校」は戦闘の最中に古い建物内に隠れていたドイツ兵を捕虜にするところから始まります。
しかしいきなり敵地での激戦を描いていて、なんの任務なのかもわからず唐突感があるし、戦闘中の兵士の顔は墨で真っ黒、軍服はヨレヨレで誰がサンダース軍曹なのかよくわからないし、要するに混沌としていて第1話っぽくないのです。
これに対し日本版第1話「ノルマンディーに上陸せよ」はヘンリー少尉もサンダース軍曹もバリッとした軍服を着用して颯爽と現れて、会話から二人の間柄もよくみてとれるし部下たちのキャラクターも次第にわかってきます。
主要メンバーが輸送艦に乗りこみいざノルマンディーへ上陸作戦開始!というストーリーです。
登場人物もストーリーもわかりやすくてこちらのほうが第1話にふさわしいですね。
しかしここでアレ?と思ったのですがアメリカ版の第1話「あるドイツ将校」はすでにヨーロッパ戦線(ノルマンディー上陸成功後のヴィル川付近の戦闘)を描いてるのに、第11話がノルマンディー上陸作戦では、時系列がおかしいと思いました。
ネットで調べてみたのですが一番最初に製作されたのはやはり「ノルマンディーに上陸せよ」で「あるドイツ将校」は6番目になっています。
理由はわかりませんがアメリカでは製作順を並べ替えて放映していたようです。
ヨーロッパ戦線から始まり途中で時間を巻き戻してノルマンディー上陸作戦を開始するという荒技を使ったのですね。
第2話は「三人の新入兵」でこれは日米同じ順番です。が、これ以降も若干の違いはあります。
日本版の第1話から数話をおさえておけばレギュラーの顔ぶれはほぼわかります。あとは順次登場する準レギュラーやゲストを交えて重厚な人間ドラマが展開されていきます。
のちのゲストにはチャールズブロンソンやジェームスコバーンといった大御所も出演したらしいです。
今回は日米の初期エピソードとレギュラーメンバーである部下達について触れておきましょう。
日本版第1話「ノルマンディーに上陸せよ」
*ネタバレがあります
出撃前の兵士宿舎(英国?)はまるでゴロツキ部屋の様相を呈しています。少尉も二等兵もみな一緒に寝泊まりします。
床で博打はするわケンカはするわで騒然としています。
ケンカがおさまらない時は軍曹が割って入りそれでもおさまらない時は少尉が止めに入ります。
士官クラスならば品行方正なのかと思いきやヘンリー少尉とサンダース軍曹はヘーゼルという女性(水商売?)を巡ってやりあう寸前です。
管理職が門限破りして女の家に行くのは珍しくないようです。
こういうのを見ると日本軍の兵士は規律正しいほうですね。
アメリカは移民国家だから個人主義だしいろんな思想の人間がいます。みな自分こそが正しいと思っているからこれを統率するのは大変ですね。
でも日本軍みたいに部下を殴ったりしないです。
どんなに怒っても胸倉を締めあげる程度です。たぶん殴ったら殴り返してきて乱闘になるかもです。
(逆に日本軍はなんであんなに殴るのか不思議です。
戦国時代から絶対的な身分制度(平人と武士)があったからでしょうか。
この悪しき習慣は戦後も体育会などに受け継がれていきました。)
ここでサンダースの部下3人を紹介しておきましょう。
ドク
衛生兵なのでドクまたは先生と呼ばれる。生真面目で優しい青年。
ケーリー
よく馬面と呼ばれる。真面目で良識ある男。初戦闘なのか極度に緊張している。
ブラドック
太っちょで少しドジ。 腹を空かせて戦闘中にクラッカーを貪る。
出撃が決まると軍曹は大忙しです。怯える兵士をなだめたりすかしたりしつつ上陸用舟艇の中で臨戦態勢を整えます。
上陸するやいなや兵士を散開させて突撃していくのですが、これはまるで地獄絵図ですね。
敵の砲弾の雨の中をくぐり抜けていかなければなりません。
ヘンリー小隊は偵察任務なので敵陣近くまで接近して状況を報告します。
しかしヘンリーは米兵が数人捕虜になっているのを発見し即座に救出作戦を立案します。
こういう戦闘になると叩き上げのサンダース軍曹が実に頼りになるのです。
しかし敵陣には戦車がいるので小銃や手りゅう弾ではとても太刀打ちできません。
この時、敵の放った榴弾が近くに着弾してケーリーがパニくって逃げ出してしまいます。草むらで震えていたケーリーはフランスの市民(レジスタンス)と出会い歓迎されます。
ケーリーは若い娘に「あなたは英雄です」と勇気づけられます。そしてレジスタンスの武器(機関砲、火炎ビン)やワインを分けてもらいサンダースのもとへ駆けつけます。
これらの武器を得たサンダースは小隊に援護してもらいながら戦車の背後に回り込み見事勝利しました。
アメリカ軍兵士は故郷を解放してくれた英雄ということで婦女子にモテモテですね。
ここで第1話が終わるのですが、戦死者は多数でたもののヘンリー小隊としてはハッピーエンドといえるでしょう。
これ以後、さらに奥地へと進み過激な戦闘が待っているのでしょう。
アメリカ版の第1話のほうは深いドラマでした。
アメリカ版第1話「あるドイツ将校」
今回はカービーという兵士が加わっています。カービーは粗野で短気な問題児です。
前述のとおり偵察中、民間の建物内にドイツ兵1名が隠れていたのを捕虜にします。
この捕虜は従順で優しい男で衛生兵のドクと打ち解けていきます。
任務が終わり、本隊へ帰還する予定だったのですがドイツ軍の前線部隊がすぐ近くまで来てしまいました。
脱出するには一人ずつ敵前をこっそり歩いて川に飛び込んで泳ぎきるしかありません。
闇に乗じて一人ずつ脱出して残るはサンダース、ケーリー、捕虜の順です。
捕虜を一緒に連れて逃げたら足手まといになってしまう、かといってそのまま置いていけば自分たちの作戦を喋られてしまう。
サンダースは捕虜の身柄をケーリーに委ねて先に行ってしまいます。
射殺されることを察知した捕虜は「決して喋らないから殺さないで!」とケーリーに懇願します。
そして、ケーリーのとった行動は……。
今回はこれ以上ネタバレしません。
こういうエピソードは考えさせられますね。
戦争中はこういうケースが多々あったことでしょう。
サンダースは捕虜の処遇を部下に委ねてしまったのですが不思議とそれを卑怯だと思わなかったです。誰にも判断できっこないからです。
これは名作なのでお時間があれば結末までご視聴いただければと思います。
最近、戦場ドラマは観てると面白いのですがやるせない気持ちが募ってしまいます。
なんというか以前より重たく受け止めてしまうのです。
昔は「観客」として楽しんだり考えさせられたりしたのですが、トシをとるとその現場にいる「当事者」になってしまうのです。
私だったらどうするだろうか?逆に敵の立場だったらどうだろうかなどと考えて思い悩んでしまうのです。
それだけ脚本も優れているということなのでしょう。
戦場で生死がかかった状況に置かれると人は本質をさらけ出すのです。それを巧みに描いています。
近頃はこういう作品が少なくなりました。全152話もありますが一話完結なのでつまみ見でも大丈夫です。
ぜひご覧になってほしい名作です。