わんぱくフリッパー | 懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

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懐かしい’60s’70s’80s
ひときわ輝いていたあの時代の思い出のエッセイ集です。
毎週土曜日更新予定です。

先週もいろいろなニュースがありました。
都内でデング熱が発生したというのがちょっと衝撃的でした。
実は私の住居は空港に比較的近いので機内に蚊が紛れ込んでやってきたら……という不安があります。まあ心配し過ぎてもいけませんね。


それから言葉をしゃべるイルカのニュース。
イルカの頭の良さは有名ですが映像をみると人間の発する言葉の真似してるみたいですね。
でも「オハヨウ」と発声したのにはビックリしました。


さて、今日はそんな利口なイルカが活躍した1966年のアメリカの人気ドラマを取り上げてみたいと思います。

わんぱくフリッパー」です。



この「わんぱくフリッパー」、当時はかなりの人気番組でした。
たしかフリッパーの後番組が怪獣ものだったんで続けて観た人が多かったんじゃないでしょうか。
このドラマの舞台はマイアミらしいです。

主人公は子供のバドと兄のサンディで家族同然のフリッパーは放し飼いです。あと、大きなペリカンも飼ってましたね。
海岸の近くに家があってちょっと庭に出るような感覚で桟橋に行けばフリッパーと会えるという羨ましくなる環境です。
物語はフリッパーと人間の交流と降りかかる様々なトラブルをみんなで力を合わせて解決する様子を描いたものです。
バドの父親は沿岸警察官なので事件や海難事故も扱うので必然的にフリッパーの救助活動が増えて行きます。


普段はフリッパーはバド達と遊びながら多彩な芸を披露します。とても頭が良いので人間と交流するうちにいろいろなことを覚えていったんでしょう。
私もテレビを見てて「イルカってこんなにも頭がいいんだあ!」と舌を巻いたものでした。 

イルカの知能が犬と同じかそれ以上、いや、人間と同等なんだと知った人も多かったことでしょう。
しかも頭の良さだけでなく仕草の愛らしさといったらないです。

水面に上半身を出してダンスを踊ってお茶目な一面を見せたかと思うと、バドに甘えるように寄り添う姿に我が家の家族全員まいってしまったのでした。


イルカの鳴き声というものを初めて聞いたのもこの時でした。
「キキキッ」とか「クワッ、クワッ、クワックワワワ…」と、まるで鳥みたいな声でした。
これがすっかり耳になじんでましたが、じつは状況に応じて色んな声を出すのです。
呼びかけられて返事する時は短く可愛い声で、警告の時は高らかにという具合にまるで言語のように聞こえたものでした。


ところでフリッパーは放牧状態ですから姿が見えない時は水中にクラクションみたいな道具を突っ込んで手動でブイブイ音を鳴らすとやって来ます。
一種の召集ラッパでこうしていざ出陣ということになります。
優しいフリッパーも実は力は強く勇敢で、ある意味海の王者です。
なにせ人を助けるためにサメと格闘することもあるんですから。 
サメに近づいてくちばしをボディーブローのようにズドン、とやって退治してしまうんです。


書いているうちに思い出しましたが主題歌も印象深かったですね。
最初の主題歌は少年合唱団で「♪僕のフリッパー おさかなと波間でかくれんぼ♪」
キレイなメロディーでまるでフリッパーと深海で戯れているような気分にさせてくれました。
しかし途中から「わんぱく、ぱく、ぱく、わんぱくフリッパー♪」という軽快な曲に変わってしまい最初の主題歌が大好きだった私はちょっとガッカリしてしまいました。


この番組が大人気の頃、父親役の俳優さん(ブライアン・ケリー)が来日しました。
番組の最後で紹介されスポンサーのニッスイの製品をプレゼントされました。
当時の私はアメリカ人がインスタントラーメンなど食えるのだろうか?と思ったものでした。
(ドラマではこの父親がとっても頼もしくてカッコ良かったです。よく服を着たまま海に飛び込んでましたね)


「わんぱくフリッパー」は人気番組でしたが終了後は再放送も無く時間の経過とともにどんどん記憶も薄れていってしまいました。
しかし1990年代に入ってようやくリメイク映画が製作されました。
1995年にはテレビ版もリメイクされました。こちらはあのバドが成長して海洋学者となって新しいフリッパーと共に活躍する話だそうです。


初代ドラマを見ていた当時、私はやっぱり雄大な大自然とアメリカの家庭環境がなんというか大らかで羨ましかったです。
ストーリーは冒険ものなんですが私にとっては「癒しのドラマ」でした。
いつも可愛いフリッパーを見て和んでいたのでした。
いつか自分も海辺でイルカと触れ合って戯れてみたいと夢みていましたが…残念ながらいまだ実現していません。