幼稚園、保育園、小学校などで集団活動に参加しない、ほかの子と同じようにできないと、お迎えに行って報告を聞くことや、学校からの連絡に参ってしまう保護者も少なくありません。

(集団生活で、同年齢集団での心配や気掛かりを保護者に共有することは大切だと私は考えています。これについてはまた別の記事で。)

 

「私が叱りすぎだから?」

「ワンオペ状態だから?」

「しつけが厳しすぎるの?」

 

色々な原因を探したくなるかもしれません。

 

心配される行動、気になる行動が現れるのは

理由があります。

でも、だれのせいでもありません。

 

私たちの「行動」はきっかけ(A)となるものがあります。

そのきっかけによって「行動」(B)が出て、

その「行動」による結果(C)が生じます。

 

行動のABCと言うものです。

(行動分析)

 

行動をこのABCに当てはめて分析することはとっても大切です。

 

何を工夫したらいいのか、

どこを変えたらいいのか、

なぜその行動をするのか、

そういったことがわかるからです。

 

もしも、事前準備や設定の工夫(A)が足りなかったのなら、工夫すればいい。

もしも、良かれと思ってやっていたこと(C)が間違いだったなら、変えればいい。

 

ただそれだけです。

 

お子さんに特別に合わせたテクニックや一手間は必要かもしれない。

でも、ただそれだけです。

(そのテクニックや一手間をお願いできる環境かどうかは冷静に考える必要があります)

 

おかあさんのせいじゃない。

お子さんのせいじゃない。

 

叱りすぎてしまうとしたら、それは親子が一生懸命に頑張ってきた証拠だと私は思っています。

 

そうならざるを得なかっただけです。

一筋縄では行かないお子さんの場合はテクニックを磨く必要があるけれど、それは知らなければなかなかできないもの。

お子さんの特徴、それに合わせたヒントやテクニックをお伝えするのが、私たち心理士の役目です。

だって、何千人という親子さんに見せてもらって、教えてもらってきた宝がある。

 

どんな工夫をしたらいいのか?

どんな変え方をしたらいいのか?

わからないときは助けを求めてください。

 

集団で気になるお子さんがいるとき、そこでできる工夫は何か、

それも心理士が一緒に先生や保育士、療育スタッフと考えていけることです。

助けを求めてください。

 

学校や園もその子のために気掛かりを伝えたとして、受け取る側の状況や状態があります。

どちらも悪くないことがあります。

どちらの方もうまくコミュニケーションが進まないと感じた時は

それも心理士の出番です。

 

学校であればスクールカウンセラーに保護者も教員も打ち明けてみてください。

園に心理士や巡回相談員がいたらぜひ声をかけてみてください。

地域の相談機関(教育相談所、子ども家庭支援センター、保健所など)にも心理士はいます。

 

関係機関と連携をとることもできる時があります。

お互いを思いやるが故に言葉が足りなくて分かり合えないことがあります。

保護者を不安にさせないために遠回しにお伝えして、迷路に入ってしまうこともあります。

園や学校から見離されるのではないかと不安になって聞きたいことを聞けずに苦しんでしまうこともあります。

 

交通整理をすることも心理士の仕事です。

 

専門家を頼ってください。