今年の北海道マラソンは並々ならぬ思いをもって望んでいた。
昨年3年ぶりに開催された北海道マラソンは、サロマ湖ウルトラマラソンが開催されなかったことからモチベーションが上がらず、練習自体もあまりできない中4時間17分というタイムに終わったことが悔しくて仕方なかった。
練習量が少なかったのが一番の原因だったが、3年ぶりのレースに頑張りどころを忘れて対応できなかった自分がいた。
そこで、今年はまず練習量をしっかり確保して、その上でインターバル練習を中心に閾値走なども積み重ねてきた。5月300km,6月358km,7月313kmと3か月間300オーバーは人生初の練習量で、特に故障もなかったのも珍しい。
練習内容にはそれなりに自信を持っていたのだが、今年の8月はちょっと異常だった。30℃を超える日が22日で、観測史上最高の36.3℃を観測した日もあった。
今までの札幌では考えられない酷暑が続き、体調を維持するのが難しいのは言うまでもない。でも、そんな30℃を超える中でも練習してきたからこそ、自然と暑熱順化出来てきたと信じ8月27日を迎えた。
大会前日も35.6℃を観測し、ゼッケンを取りに行くのも面倒なくらい弱っていたが、今まで頑張ってきた自分を信じるしかない。
当日はスタートの1時間前には会場入りし、トイレと着替えを済ませ8:10にはDブロックに入った。それから西4丁目の辺りで軽くウォーミングアップをしながらスタート時間を待つ。
以前Cブロックの時は駅前通りで待機できたが、Dブロックに格下げとなりスタートラインが見えないところで待機してスタートする。
大通りから駅前通りに入ると目の前に気温計が確認できるのだが、その時見えたのは30℃という表示。北海道マラソンでスタート時に30℃というのは聞いたことが無い。数ある日本のマラソン大会でもなかなか無い光景だと思う。
これまでしっかり練習を積んできたつもりだったが、30℃の表示を見て安全運転することが必要であることを悟った。
スタートラインを超えたのは2分34秒、その後も多少の混雑はありながらも5分30秒のペースを崩さず暑さを感じながら走り続けた。駅前通りからすすきの、中島公園などを通過して幌平橋辺りからは本当に暑いと声に出してしまうくらい暑かった。
昔の私なら気にせず5分ペースで走っていただろうが、今年の暑さは本物だ。絶対ペースを上げてはならないという思いで我慢した。
5km 30分29秒(27:55)
最初の給水コップは届かなかったが、ここの給水スペースは長い。最後の方でようやく水をつかみ軽く喉に通してすぐに首にかけた。
平岸通を北上するにつれて、暑さは更に厳しさを増しているように思えた。この辺は緩い下りなので例年ペースが上がるのだが、今年は上げられない。いや、足が思うように動かず上がってないのだ。
創成トンネルの中は湿度が高く、ムシムシで本当に息苦しい。頭もクラクラして自分の体じゃないようなフワフワした感覚のまま何とかトンネルをクリアした。
10km 57分22秒(26:53)
何とかトンネルをクリアした後の高架下でリタイアしている人が結構いた。思わず「俺も…」と羨ましく思うほど苦しかったが、この後雨が降って気温も下がる予定だ、と言い聞かせて踏ん張った。
例年ならこの辺でペースを上げてスタートのロスを取り戻そうとかるのだが、今年はそれさえも捨てて5分半のペースを維持することに集中した。北24条通りで沢山の声援を受けても、クールに受け流し絶対にペースを変えなかった。
15km 1時間24分(26:52)
新川通から琴似栄通りを走っていても、とにかくペースを変えずにクールに走ることを心がけた。今朝の天気予報ではとっくに雨が降ってもいい頃だったが、なかなか降らない。応援している人にとっては有難いかもしれないが、私はいつ降るのかとずっと待っているのだ。
別にどこかが痛いわけではないが、とにかく暑さで頭がフワフワして体が言うことを聞かない。とにかく体が重い。新琴似から新川通に入り何だか雲行きが怪しくなってきた。
20km 1時間51分(27:29)
20kmを超えてようやく雨が降ってきた。やったー！これで体が少し冷やされる。と思っていたら、なんかスコールというか音が聞こえるような土砂降りの雨が降りそそぐ。思っていたのとはちょっと違うが、体が冷やされてきたのは確かだ。
ちょっとだけ元気が出たところでエイドにはバナナやパンが見えた。ここではチョコパンをもらうことに決めていたが、やはりバナナをかじって、パンはしばらく持ちながら走った。
夏の雨に降られながら、ようやく今年の北海道マラソンが始まった、と思った。
後半に続く
