多分、40代の頃、何十年ぶりかに会った同級生の男子(おじさま)が、遠くを見つめながら言った。

 

「家を飛び出てからずっと、故郷なんて顧みずもせんかった。故郷を思うてなんぼのもんじゃと、思うちょったけぇのう。でも、わしも歳を取って、故郷を懐かしゅう思うようになった。」

 

私は花屋を初めて間もないころだったから、未だ鼻息荒く、「何をじじ臭い事を言ってんだ。」くらいにしか思ってなかった。

当時の私には、故郷なんて振り返る余裕もなかった。

 

だが、両親を見送り、実家を手放して始めて、今、故郷を想うようになった。

 

 

最近、突然思い出して作り始めた料理がある。

いわゆる郷土料理らしいけど、それが何なのか、分かるまで随分と時間がかかった。

 

とても素朴な料理で懐かしいのだけど、母が作ってくれた覚えはない。

じゃあどこで??

 

思い当たるのは給食。

 

両親の介護や家の処分で帰省した際に、スーパーのお惣菜売り場で見つけ、何故か懐かしく感じて買ったのが何十年ぶりかの再会だった。

 

基本は、人参と大根とお豆腐を、出汁、醤油とみりんで味付けしただけ。

それに鶏肉や竹輪などが入る事も。

ちょっと甘めの味付けでね。

 

山口に戻る事もなくなり二年、よく思い出して作るようになった。

何の特徴もなく、地味でどこにでもありそうな料理なのだけど、何故か時々食べたくなる。

そんな一品だ。

 

料理の名前は「けんちょう」

名前の由来は諸説あるらしい。

 

 

母親は地元の人間ではなかったこともあり、本当の郷土料理は分からない。

でも美味しい記憶は沢山ある。

 

近年は見なくなったが、子供の頃には、「ぎんがみ」と呼んでいた、銀色に光る平べったい小さな魚。

検索しても出てこなかったが、サッと網で炙って食べる。

酒飲みにはたまらん一品だったと思う。

 

あと、「よそ」とか、「えそ」と言う魚のミンチ。

これは今でも売ってるけど、いわゆる雑魚で腐りが早いし、安いのもあるのだろう、関東では見ない。

骨も一緒にミンチになっていて、このお団子のスープはいい出汁が出て美味しい。

 

あとは、干したデビレカレイ。

編んだ縄に何匹ものデビれカレイが吊るされていて、一匹づつ外し、カナヅチで叩いて骨を砕き、火で炙って食べる。

パリパリになった縁側も、噛み応えある身も濃厚な味。

 

魚ばっかり、しかも酒のつまみみたいなのばっかりだね笑

 

瀬戸内海に面していたからお魚は新鮮だった。

 

 

そう、けんちょうを作ろうと思ったのだけど、書いてるうちに作るのも面倒になった。

片手でぶった切る料理、出来なくはないが今日は頑張るのはやめよう。

その辺にあるもので。。。

 

 

 

 

以前にメダカの青大将が暮らしていた入れ物に、また太った子が

環境のせいかもしれないと思い様子を見ていたのだけど、そのうちに卵を付けているのを発見

もう二週間くらい前のこと

こんなに寒いのに?

しかも、口にも卵・・・

自分が産んだ卵を食べてまた産むの?