86歳の母は認知症だ。

車イス生活で施設に入っている。
 
 
ある時気が付いた。
昔の事は覚えているものの、基本的に母には「今」しかない。
 
もしも母の頭がしっかりしていたら。。。
 
あの子(私の事)は嫁にも行かずどうするんだろう、ずっと東京に暮らすつもりだろうか?
 
家の門が壊れてしまってどうしよう、古くなった雨戸が閉まらなくなるかも、これから先、庭の草取りどうしよう、。。。等々
 
 
そんな煩悩から一切解放された母は、大股開きでオムツを替えてもらいながらニコニコしている。
 
食べたいか、食べたくないか、やりたいか、やりたくないか、全ての質問には迷うことなく即答。
回りにくだらない気を使ったりしないから、自分が今、どうしたいかだけ。
 
 
ある意味、すごいと思った。
人一倍悩んでしまう母にとって、認知症は神様からのプレゼントかもしれないと思った。