毎朝のパパからの電話で、
ペポニのことを最初に話した。
パパもショックを受けたのがわかる。
「うそっ」と言った後、
一瞬黙って「可哀想だな」と言ってまた言葉が途切れた。
私も言葉をつなげられなかった。
パパは「でもママのところへ来て、
ペポニもやっと幸せに過ごせるね。」と言ってくれた。
私も「そうだと良いな」と言いながら、
心の中では「そうしたい。そうであって欲しい!」と強く思った。
「耳ダニのせいなんちゃう?」パパが言葉を添えてくれた。
耳が聞こえないという事がわかってから、
私は少し動揺していた。
初めてのことでもあるし、もちろん学校でも教わっていない。
呼んでも反応しないのは当たり前で、
だからいつでもご飯の時に匂いで気がつくように、
台所とリビングの堺に伸びて寝ていたのか。
他の猫とは違うペポニの反応や行動が次々につながり、
理由付けができてきた。
ペポニという猫を知るごとに
複雑な思いと心を駆ける複雑な感情が
波のように押し寄せてうねっていた。
これが日本のペット事情だ!
これが現状なんだ。
今の日本社会の等身大の姿をペポニに見ているようで、
現実を突き付けられ、心が痛かった。
そして私はその内の1匹を助けたに過ぎない、
小さな存在なんだということが、
辛かった。
一人の力は 小さい…
命の重さに比べて、自分一人の成し得ることの
小さきことを 突き付けられていた訳です。