それから俊哉が学校から帰ってきて、
新しい猫に興味深々だった。
我が家には珍しい来客の存在も、
調子にのる要因だったかもしれない。
お喋りが止まらず、ずっと喋り続けている。
俊が「この猫、目ヤニがついてる」と言った。
代表の方は
「おばちゃんも最初は目ヤニだと思ったけど、
この猫の模様なんよ。」と話している。
目ヤニを隠したいのだろうか?
一部の犬種や、猫ならチンチラ・シルバーは
涙ヤケの子が多いし、珍しいことではない
と思ったけど、「猫の模様」発言には、
私も疑問を持った。なぜ?そんなことを言うのかしら?
耳の中が汚れている子は、目ヤニも出るし、
掃除をしてあげたら徐々に改善されるのだけど、
あまり手入れをしてあげられないという負い目があるのかしら?
病院の経過報告書と書かれた。
手書きの血液検査結果に目を通しながら、
俊と代表の方との会話の中にひっかかりを感じながらも、
私はしっかりとこの子が不自由なく暮らせるように、
生活の様子なども尋ねておかなくてはと、
頭の中がグルグルと回っていた。