鈴木大拙(1870-1966)仏教学者・禅の達人として世界的に知られている。交友のあった西田幾太郎ともども世界で評価が高い。

 

金沢市の住宅街にある鈴木大拙館。展示はさほど多くない。しかし庭がスゴイ。谷口さんという設計者が、2011年に建てたものだが、大拙師の思想を十分に理解していて、とんでもないハイパー空間をつくってしまった。

 

コンクリートの池に満たされた水、そこに突き出る四角い瞑想の部屋。ときたまゴボリと水が湧く。近代的な素っ気ないつくりだが、禅のこころが見事に表現されている。しばし思考に耽り、呆然となってしまう。

 

鈴木大拙館 (kanazawa-museum.jp)

 

今回は雨のなかの訪問だった。残念と思ったが…度肝を抜かれた。池に降り注ぐ雨の波紋がすさまじいパワーを発揮していて、晴れのときよりスゴかった。屋根からの鎖を辿る雨水だけで見とれてしまう。

 

借景となっている山の紅葉も素晴らしく、飽きない。ただ雨が降り、池に波紋ができるだけで、これだけどきどきさせられるとは…

 

ちょっとでも禅、いやすべての表現に関心のある人なら絶対に訪ねて欲しい。すさまじいインパクトである。
そして大拙師の深い言葉の数々もペーパーとして置いてあるので、いくつか貰ってこころの糧とし、生きることの意味を見出していただきたいと思う。

 

いやーしかし、ホントに雨の日があんなにスゴイ訪問先とは、まったく予想だにしていなかった。