アメリカ

 

結論

アメリカは新たな段階へと進化している

 

解説

  アメリカは一時的とは言え日本を占領した。実際は、日本が自滅したことによりアメリカが日本の上層部の位置に入ったと言える。政治レベルでは、畜生界vs修羅界となり、アメリカが勝つのは当然という関係となる。しかし、民間レベルで言えば、人界vs畜生界となり占領不能ということになる。つまり、民度レベルではアメリカの日本化が起きていると言えるのだ。この民度レベルの日本化は徐々にアメリカ政府の根幹まで変革していくようになる。

 

  この一例が、トランプが再び大統領となったことである。アメリカが西部劇時代のままならば、これは起こりえない変革なのだ。トランプとバイデンやオバマとの間には決定的な違いがある。旧来のアメリカでは、トランプは理解できないし、支持も集められないのだ。これは、アメリカの民度がトランプを理解できる位置にまで上がったということを示している。

 

  バイデンやオバマは自己利益誘導型である。自分の名声・利益が根本にあり、支配者の言うことに従って、如何にして自分の利益を最大化するのかが政策の根本なのだ。

 

  アメリカの真の支配者とは、グローバリズムや環境問題を提起している、いわゆるディープステイトである。ディープステイトが提示する基本があり、その基本を忠実に守る範囲での自由裁量が彼らに与えられている。その自由裁量の範囲で自己利益の最多大化をするための政策を行うのだ。

 

  例えば、ウクライナ戦争では、当初、バイデンは『これで汚職の証拠が消える』と小躍りした。ところが、ゼレンスキーが想定外の頑張りを見せた。さすがに、ゼレンスキーを排除するわけにもいかず、ウクライナを応援するというスタンスに切り替えた。『汚職に関しては大統領権限で何とかするしかない』と方針を変更して、今度は、アメリカの利益という視点に切り替えたのだ。

  アメリカは旧式の武器を大量に保有している。本来ならば、これは廃棄していくべきものなのだが、これを他国に売りつけられれば、廃棄費用もかからず収入となると考えたのだ。これを売りさばく名目を探し、その名目としてディープステイトが提示する基本に違反しなければ、これは可能であるという思考となる。後は、その利益をどのようにして自分のものとするのかに終始する。つまり、アメリカの利益を上げた優秀な大統領だから、汚職は不問に付すという評価を狙ったのだ。当初、プーチンの策略に乗っかった。これがうまくいかなくなり、方針変更をしてからは、この策略に従ってロシアやウクライナを動かす方に切り替えたのだ。つまり、アメリカの古い武器の在庫がなくなるので戦争を継続させれば良いという思考となる。表面的には支援を装うが裏では各国や国民を操り戦争をさせようとする。これがオバマやバイデン、要するにアメリカ民主党の政策となる。

  これは、実は畜生界思考の特徴である。アメリカが悪いわけではない。オバマやバイデンが悪いわけではない。民主党という組織が悪いわけでもない。軍産複合体が悪いわけでもない。法治主義、すなわち畜生界思考をすれば、誰でもこのようになってしまうのだ。

 

  畜生界思考を理解するのに、ゲームの世界がわかりやすい。ゲームの世界では、キャラクターも、周りを取り巻く者たちも、ゲームクリエーターが設定したルールに完全に従って動く。これを逸脱した動きは不可能なのだ。すると、ゲームプレイヤーたちは、限られた動きの中で如何にして効率よくゲームを進めるかと試行錯誤する。裏技も、インチキも何でもありなのだ。標準的な動きしかしてはいけないというわけではない。むしろ、裏技や、インチキ技を発見した方が賞賛を浴びる。このゲームクリエーターがディープステイトの位置である。そして、このゲームプレイヤーの位置にいるのがアメリカ合衆国という国であり、アメリカ民主党、そして、エリートと呼ばれる人々もこの位置にいる。

 

  彼らには、考えるための基本ルールがあり、そのルール上で考えるのは得意なのだ。しかし、ルールがない状態だと『わけが分からない』となってしまう。例えば修羅界の常識は努力である。畜生界思考をする者たちは、正解を出すために努力するのだが、この努力が目的と言われると、わけがわからないとなる。これが、畜生界を常識とする者たちの特徴なのだ。

 

  さて、この考え方に決定的に不足しているものがある。それは、その武器を使って実際に戦うロシア人やウクライナ人という視点が全くない。また、アメリカの一般人としての視点も全くない。『利益』と言っても、それが市中に出回ればインフレとなる。それによって利益を得られるのは極一部の者たちであり、市中の貧富の格差は広がる。一般のアメリカ国民にとっても、これは利益でも何でもないものなのだ。

 

  ところがトランプには自己利益誘導がほとんどない。アメリカ人民の利益が根本にある。一部の者たちが利益を得、それによって貧富の格差が広がる政策などもっての他という思考となるのだ。『戦争が悪だから止めよ』というわけではない。『戦争がアメリカ市民の利益にならないから止めよ』といっているのだ。旧来のアメリカ市民ならば、政府の政策により自己利益を上げようというのが基本である。オバマやバイデンの政策ならば、その政策により自己利益を確保できるのだ。例えば移民。不法移民ならば安く使えるから大歓迎となる。奴隷として使って、自己利益を上げればよいと考えるのだ。ところが、トランプだと、自分たちが働かなくてはならなくなる。つまり、労働に価値ありとしているのだ。これは、日本的な価値観と言える。このように価値観が日本化することにより、トランプ支持が広がってきたのだ。

 

 

アメリカは日本化してきている

 

  さて、アメリカの近代史をみてみよう。アメリカが日本と戦争した理由は、アメリカの利権拡大であった。フランスとかオランダとかイギリスと言う国々は世界中に自国の植民地を持っていた。ところが、アメリカはほとんど植民地がなかったのだ。日本は、『他国を植民地としてそこから搾取することにより繫栄するのはおかしいではないか』という理由で、諸外国の植民地を次々と取っていったのだ。戦争により、アメリカは勝った。アメリカは勝ったので、日本を植民地にしようとしたのだ。ところが、これはうまくいかなかった。そればかりではない。世界中の植民地が植民地ではなくなっていき、人権と言う考え方がされるようになってしまったのだ。これは、戦前の日本の主張であり、この主張をアメリカは、アメリカがしてきたかのように装ったのだ。これは、アメリカが日本化し始めたと言える。

  アメリカは、表面的には理想国家として振る舞い、裏では自分たちの利益のためには戦争も行い、自分たちの言うことを聞かない者たちには制裁も加える独善国家だった。しかし、そのようにしてあげた利益は軍産複合体に集まり、一般のアメリカ国民に還元されることはない。この軍産複合体もディープステイトと呼ばれるが、彼らはディープステイト本体ではなく、ディープステイト本体の指令を各所に伝える、単なる伝令役なのだ。要するに、一番最初に、本体の意向を知るから、その本体の意向に従って自己利益を最大化している者たちである。

 

  本体の意向という絶対法があり、その法に従い自分の利益を上げるという思考は、典型的な畜生界思考である。彼らがアメリカ議会やアメリカ大統領に伝達する場合、本体の意向に自分たちの利益誘導もプラスして伝達するのだ。それを受けたアメリカ議会やアメリカ政府は、その伝達に更に自分たちの利益をプラスして、これらすべての利益に反しないように法を定め政治を行うのだ。

 

  皆さま方は、こんなことがあるはずはないと考えられるかもしれない。しかし、アメリカも世界も、どういうわけか同じ方向を向いている。もし、これが自然発生的なものだったならば、突然、降ってわいたかのような方向に全世界が一斉に目を向けるであろうか。それを意図的に操作している者がいると考えれば、すべてが納得できるのではなかろうか。

 

  トランプの出現は、本体ディープステイトの位置に、アメリカ大統領が就いたという意味となる。トランプと本体ディープステイトが同じ天界という常識の位置にいるからである。いままでの、本体ディープステイトとアメリカ政府の連絡役であった軍産複合体も意味を失ってしまう。これは、軍産複合体の出す指令により利益を得ていた者たちもその利益を失うということを示す。守るべき指針による法治主義、すなわち畜生界思考が打ち消されてしまうのだ。

 

  日本では、江戸時代、武士階級が天界思考をするのは当然とされていた。武士が天界思考をするから、庶民は武士を敬い、武士の統治に従ったのだ。武士が天界にあるから、庶民は人界を常識とするようになったのだ。

 

  アメリカでは、本体ディープステイトは天界思考をしていても、他の者たちは畜生界思考をしていた。迷い、考え、努力はするが、その方向は自己利益という方向を向いていたのだ。社会常識が畜生界、個人常識が修羅界という位置となる。これをトランプは社会常識を天界へと変革しようとしている。つまり、天界思考をする者たちを集めてアメリカが進むべき方向を定めようとしている。アメリカ版徳川幕府をつくろうとしているのだ。この改革がうまくいくと、アメリカ市民の思考が人界へと変化していく。この市民意識の変化が日本化であり、これが、アメリカは日本に勝ったようで、実はアメリカ自体が日本化していく流れとなっているのだ。